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東海理化、名城ナノカーボンと資本業務提携:製造マネジメントニュース
東海理化は、高品質なカーボンナノチューブの素材を開発/製造する名城ナノカーボン(MNC)と資本業務提携を締結した。
東海理化は2024年8月19日、新規事業領域の拡大を狙う「未来創造投資」の一環として、高品質なカーボンナノチューブの素材を開発/製造する名城ナノカーボン(MNC)と資本業務提携を締結したと発表した。未来創造投資とは、東海理化の中期経営計画目標の実現と将来の成長に向けた挑戦を加速させるための合計200億円の資金投資だ。
カーボンナノチューブは、炭素原子のみで構成される筒状の素材で、重さはアルミニウムの半分、強度は鋼の20倍、導電率は金属に匹敵するなど、多くの優れた特性を有し、カーボンニュートラルに貢献する材料として注目されている。MNCは、カーボンナノチューブの中でも導電率が高い単層のカーボンナノチューブを製造する技術を保有しており、その材料はリチウムイオン電池などさまざまな分野への適用が期待されている。
今後、両社は今回の資本業務提携により、MNCの保有する高品質なカーボンナノチューブの製造技術と、東海理化が車載部品で培ってきた製品開発力、量産マネジメント力を生かす。これにより、糸状のカーボンナノチューブを用いた熱電変換素子などの商品の企画、開発、生産を行い、それらを早期に事業化し自動車、宇宙などさまざまな分野へ拡販活動を実施し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
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