インドネシアで高吸水性樹脂の製造設備増設、紙おむつ需要に対応:工場ニュース
日本触媒は、インドネシア子会社のNIPPON SHOKUBAI INDONESIAで年産5万トン(t)の高吸水性樹脂(SAP)製造設備を増設し、既存能力の年産9万tと合わせて年産14万tの生産能力にする。
日本触媒は2024年8月2日、同年7月30日開催の取締役会で、インドネシア子会社のNIPPON SHOKUBAI INDONESIAで年産5万トン(t)の高吸水性樹脂(SAP)製造設備を増設し、既存能力の年産9万tと合わせて年産14万tの生産能力にすることを決議したと発表した。
同社のコア事業の1つであるSAP事業は、紙おむつの原料としてグローバルで需要が堅調に伸びており、特に人口増加が予測される地域ではさらに旺盛な市場伸長が見込まれている。
一方、NIPPON SHOKUBAI INDONESIAでは、2023年4月にSAPの原料でもあるアクリル酸(AA)の製造設備を年産10万tに増強し、増強後のAA生産能力を年産24万tとしている。AAからSAPを一貫生産できる強みを生かして、アジア圏内の旺盛なSAP需要の伸びに対応するため、日本触媒は今回、NIPPON SHOKUBAI INDONESIAでSAPの増設を行うことが最適だと判断した。
また、日本触媒が兵庫県姫路市で保有するSAPプラントの内、生産性が低い旧型設備については、今後、必要に応じて停止措置を行うことで、日本触媒グループでの全体最適を図っていく。
なお、NIPPON SHOKUBAI INDONESIAで増設するSAP製造設備は2027年1月末に完成し、2027年7月に商業運転を開始する。設備投資金額は約1億1000万米ドル。
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