日本触媒、製造プラントの情報を一元化する基盤構築に着手:製造IT導入事例
日本触媒は、Cogniteが提供するDataOpsプラットフォーム「Cognite Data Fusion」を活用し、製造プラントの情報を一元化するプラットフォーム構築に着手した。CDFの採用により、異なる場所に保管していたデータを一元管理できるようになる。
日本触媒は2023年2月16日、Cogniteが提供するDataOpsプラットフォーム「Cognite Data Fusion(CDF)」を活用し、製造プラントの情報を一元化するプラットフォーム構築に着手したと発表した。
CDFの採用により、異なる場所に保管していたプラントの設計データや運転データ、保守管理データなどを、AI(人工知能)やML(機械学習)でひも付けし、一元管理できるようになる。部門間での横断的なデータの活用が可能になることで、必要なデータを容易に取り出せるようになる。情報検索に要していた時間は、年間約9000 時間削減できる見込みだ。
また、データを基に課題解決や意思決定をするデータドリブンなプラント操業を実行できる。必要データに柔軟に対応するため、配管計装図や3Dデータをはじめとしたプラントのデジタル化、デジタルツインの構築、デジタルデバイスを用いた現場の効率化が可能になる。
同社は、2030年を目標とした長期ビジョンの実現に向け、3つの変革に取り組んでいる。その推進のため、デジタル技術やデータをもとに変革に取り組む「DX(デジタルトランスフォーメーション)ビジョン」を掲げている。CDFの持つ多様なプラントデータの統合技術やデータ量の増加にも耐え得る拡張性は、同ビジョンの実現に向けた基盤として適していると評価している。
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