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ビアピッチ0.23mmに対応する超高多層PCB回路形成ライン新設、生産能力は約1.4倍に:工場ニュース
OKIサーキットテクノロジーが、上越事業所に超高多層PCBの回路形成ラインを新設した。ビアピッチ0.23mmに対応可能な高精度、高精細な回路形成が可能で、生産能力が従来比で約1.4倍向上している。
OKIは2024年7月25日、グループ会社のOKIサーキットテクノロジーが、新潟県の上越事業所に超高多層PCBの回路形成ラインを新設したと発表した。
上越事業所内の製造エリアを、従来比約1.2倍となる3300m2増床し、極薄材料に対応する表面処理ラインを新設。ダイレクトイメージ装置も増設した。加えて、AOI(Automated Optical Inspection、自動光学検査)装置を移設し、回路形成プロセスの動線を最適化した。これにより、従来比で生産能力が約1.4倍向上している。
また、厚さ0.03〜8mmの材料を自動搬送できる装置やダイレクトイメージ装置を増強することで、ビアピッチ0.23mmに対応可能な高精度回路の形成と高精細エッチングラインによる線幅精度の向上(伝送特性安定化)が可能になった。
さらに、高精度穴開け装置の増設により、直径0.1mm以下の極小径穴の加工能力が向上し、110層以上の超高多層、高精細基板の提供が可能になった。
OKIサーキットテクノロジーは、高精細な加工能力と多品種少量生産力の向上により、AI(人工知能)やデータセンター、次世代通信網向けの半導体、検査装置メーカーへの販売を強化し、売上拡大を目指す。
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