360度から3Dに見える映像を描画、インタラクティブな表現にも対応:車載情報機器
宇都宮大学 オプティクス教育研究センターとJVC ケンウッド 未来創造研究所は体積映像を描画できるボリュメトリックディスプレイシステムを開発した。
宇都宮大学 オプティクス教育研究センターとJVC ケンウッド 未来創造研究所は2024年7月29日、体積映像を描画できるボリュメトリックディスプレイシステムを開発したと発表した。ユーザーの動きに合わせて映像を操作するなど相互作用(インタラクション)を可能にするとしている。
ボリュメトリックディスプレイは画素を実世界に体積的に生成することで映像を描画する。ヘッドマウントディスプレイのようなデバイスを身に付けることなく、周囲360度から複数人が3D映像を見ることができる。
これまで、宇都宮大学とJVCケンウッドは、フェムト秒レーザーによって生成された画素と空間光位相変調デバイス(LCOS-SLM)を利用したホログラフィックレーザー描画法を開発してきたが、映像サイズの大型化に課題があった。
両者は、2つのレーザー描画を連携動作するディスプレイシステムと、JVCケンウッドのLCOSデバイスを採用した描画法とすることで、高い画素密度で手のひらサイズの体積映像を実現した。外界の動きを認識し、体積映像の描画に反映させるシステムを構築することで、体積映像をユーザーがリアルタイムに操作できるようにした。
開発したボリュメトリックディスプレイシステムは、2つのホログラフィックレーザー描画光学系で構成される。それぞれの光学系は、ガルバノスキャナーと可変焦点距離レンズで構成される3次元ビーム走査システムを有し、10×10×10cmの体積中に発光点を3次元的に生成する。描画パターンをシステムに入力することで任意のパターンを描くことができる。
今後は、ハードウェアの改良やアルゴリズム開発によって、ビーム走査と空間光変調器による集光点設計の連携描画の実現に取り組み、より複雑な形状の物体を体積映像として表現することを目指す。
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