警備用のAIとロボットの国内トップが協業、アジラとugoが生み出す新たな警備DX:ロボット開発ニュース
アジラとugoは、アジラのAI警備システム「AI Security asilla」とugoの警備ロボットを連携させた新たな警備ソリューションの開発に向けて協業することを発表した。
アジラとugoは2024年7月30日、東京都内で会見を開き、アジラのAI(人工知能)警備システム「AI Security asilla」とugoの警備ロボットを連携させた新たな警備ソリューションの開発に向けて協業することを発表した。まずは、AI Security asillaをエッジAIとして搭載するugoの警備ロボットを開発し、個社ではカバーできなかった警備のニーズに対応していく方針だ。同年10月に実証実験を開始した後、12月からの本格販売を目指す。価格は機能に応じて月額5万〜10万円の範囲を想定している。
アジラのAI Security asillaは、施設管理/警備向け異常検知AIツールの国内導入数第1位で、ugoの警備ロボットも業務用セキュリティロボットの国内市場でシェアトップを誇る。アジラ 代表取締役CEO兼COOの尾上剛氏は「労働人口の減少が想定される日本だが、警備業界は深刻な人材採用難と高い離職率、厳しい労働環境もあってより難しい状況になっている。AI Security asillaは、自社開発の行動認識AIによるリアルタイム性や、予兆や違和感などが検知できることなどが評価され、施設管理や警備に広く利用されている」と語る。一方、ugo 代表取締役CEOの松井健氏は「ugoの警備ロボットは、正面側180度を補足できる広角カメラとエレベーターを使った自律的なフロア移動により、立哨と巡回の両方に対応できることから、業務用セキュリティロボットで国内シェア50%以上になっている」と説明する。
警備業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に貢献するトップ企業同士がタッグを組むことにより、アジラとugoが単独では解決できなかった課題を解決できるようになる。例えば、ugoの警備ロボットは、搭載する広角カメラの映像を常に警備員が監視する必要がある。既設の監視カメラを用いるアジラのAI Security asillaも、カメラの死角になっている箇所の状況は把握できず、カメラで検出できた事象に対して即座に対応することはできない。
今回両社が協業する警備ソリューションでは、ugoの警備ロボットにAI Security asillaをエッジAIとして搭載するとともに、AI Security asillaを運用している監視カメラとugoの警備ロボットをシステム連携することに取り組む方針である。AI Security asillaを搭載するugoの警備ロボットを用いれば、エッジAIの判断に基づき警備ロボットを作動させられるようになり、常に警備員が監視する必要がなくなる。また、監視カメラとugoの警備ロボットの連携では、自律移動できるugoの警備ロボットが監視カメラの死角をカバーするとともに、AI Security asillaで検出した事象に即座に対応することも可能になる。
なお、AI Security asillaはサーバでの運用が前提となっているため、ugoの警備ロボットに搭載可能なエッジAIとなる「mini asilla」を開発中である。2024年10月に、オフィスビルの品川シーズンテラス(東京都港区)で開始する実証実験に向けては、NVIDIAの組み込みAIボードとしてハイエンドに位置付けられる「Jetson AGX Orin」で動作させられるように開発する方針だ。「実証実験を通して、ugoの警備ロボットに搭載すべきAI機能を検討していく。本格販売の際には、エッジAIを搭載するハードウェアはより小型にする可能性もある」(尾上氏)という。また、「当面は立哨業務の映像にエッジAIを適用することになるが、2025年以降に巡回業務の映像にも適用していきたい」(松井氏)としている。
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