自律走行するALSOKの警備ロボ、悲鳴や危険性ガスの自動通報に対応:ロボット開発ニュース
ALSOK(綜合警備保障)は、「SECURITY SHOW 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)で、警備員と協働する自律移動型警備ロボット「REBORG-Z(リボーグゼット)」を初公開した。人口減少や高齢化によって人材不足に直面する警備業で、立哨や巡回警備の高度化と効率化を目指す。
ALSOK(綜合警備保障)は、「SECURITY SHOW 2019」(2019年3月5〜8日、東京ビッグサイト)で、警備員と協働する自律移動型警備ロボット「REBORG-Z(リボーグゼット)」を初公開した。人口減少や高齢化によって人材不足に直面する警備業で、立哨や巡回警備の高度化と効率化を目指す。
ALSOKは警備業界への自律移動型ロボットの提案をいち早く進めており、REBORG-Zは同社で11代目の警備ロボットとなる。同ロボットは警備員の完全な代替を目指したものではなく、「ロボットが得意なことをロボットに任せることで、警備員の労働環境を改善するとともに高品質の警備を安定的に提供する」(同社担当者)目的で開発された。
同ロボットは人が往来する施設で安全に自律移動を行うため、LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)を胴体の前部、後部、斜め前方部に設置。また、ガラス素材など光が透過する障害物の検知を目的とした超音波センサーと、万が一の接触を感知するタッチセンサーを搭載する。防水防塵性が向上し、テラスや連絡通路など屋外の巡回警備に対応する。移動速度は最大で時速4.6km、連続走行時間は4時間だ。
同ロボットの警備機能では、女性や子供の悲鳴、危険性ガス、夜間の侵入者などを自動検知し、協働する警備員やALSOK拠点へ現場画像などの各種情報を通報する。また、オプションで消火器やAEDも搭載でき、火災の初期消火や人命救助の迅速化に貢献する。
コミュニケーション能力も拡充した。顔認証を採用し、入場者のセキュリティチェックを行うスクリーニングや事前登録した人物にあいさつなどを行うことができる。また、日本語と外国語に対応する定型文の音声認識機能もオプションで用意し、施設案内を対話形式で行うこともできる。
同ロボットは2019年春からの提供開始を予定する。提供形態は売り切りとリースから選択でき、ALSOKの自社運用分を含めて年間20台の導入を目指す。導入や運用のコストは未定とするが、「警備員を1人運用するコストよりも総合的に安価となるように設定したい」(同社担当者)としている。
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