“ちょっとした自動化”にロボット内製のススメ、山洋電気が自作ロボのデモ:TECHNO-FRONTIER 2024
山洋電気は「TECHNO-FRONTIER 2024」において、自社のモーションコントローラーやACサーボシステムで構成したロボットによるデモを行った。
山洋電気は「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)の構成展の1つである「モータ技術展」に出展し、自社のモーションコントローラーやACサーボシステムで構成したロボットによるデモを行った。
7軸多関節ロボットも制御できるモーションコントローラー
6軸の垂直多関節ロボットと4軸のスカラロボットなど全14軸による検体搬送のデモンストレーションを制御しているのが、モーションコントローラー「SANMOTION C S500」だ。 5、6、7軸の多関節ロボットや、2軸、3軸、4軸のデルタロボット、スカラロボットやウエハー搬送など15種類のロボットを制御することができ、アームの長さや移動距離、スピードなどを入力するだけでユーザー自身で複雑なロボット制御が設定できる。
最大64軸を最短1ms周期で制御可能だ。予想トルクとフィードバックトルクの際を検知し、安全に停止する衝突検知機能も備えている。
「軽いワークを扱う工場では、自動化に当たって既製の産業用ロボットではオーバースペックなため、ロボットを内製したいというニーズがある。高い精度が必要な場合は既製ロボットが適切だが、“ちょっとした自動化”に向けた設備の内製をお手伝いしている」(山洋電気の説明員)
EtherCATやModbus TCPなどの産業用ネットワークに対応しており、ブースではSANMOTION C S500でニコンの協働ロボット用のアクチュエーター「C3 eMotion」を制御するデモや、THKの回転モジュールと直動モジュールを組み合わせたロボットとならいハンドシリーズ「TNH」を動かすデモも披露した。
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