物流現場のバーコード読み取りにラズパイを活用する:ラズパイで製造業のお手軽IoT活用(15)(3/3 ページ)
小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズパイ)」を使って、低コストかつ現場レベルでIoT(モノのインターネット)を活用する手法について解説する本連載。第15回は、物流現場におけるラズパイと各種情報収集方法の組み合わせについて紹介する。
3.ドキュメントスキャナーと画像解析
ドキュメントスキャナーと画像解析では、ドキュメントスキャナーに2次元コードに統一した標準フォーマットの現品票をセットして一括で読み取りを行います。標準化されたフォーマットの現品票を一括で読み取りができるため、先述のラズパイカメラと画像解析よりも高速化が可能です。主に、在庫情報を登録するための方法としての活用が想定されます。
情報収集の流れ
- 現品票をドキュメントスキャナーにセットする。
- ドキュメント画像から2次元コードを画像解析で認識する
- バーコードをデジタルデータに変換し登録する
- 登録した情報を履歴として検索できる
なお、ラズパイカメラと画像解析ではラズパイを活用していますが、ドキュメントスキャナーと画像解析では、ドライバソフトウェアの関係からPC(Windowsもしくはmac)を用います。スキャンした2次元バーコードの画像解析については、画像をグレースケールに変換して行うのが良いでしょう。いわゆる二値化ですね(図5)。
今回は、物流現場における情報収集を自動化するための全体的な方向性と2つの事例を紹介しました。先進事例であるRFIDの活用も重要ですが、設備投資に大きなコストがかかることを考慮すると、中小製造業にとっては今回紹介したような事例が現実的だと考えています。ぜひお試しください。
筆者紹介
株式会社アムイ 代表取締役
山田 浩貢(やまだ ひろつぐ)
NTTデータ東海にて1990年代前半より製造業における生産管理パッケージシステムの企画開発・ユーザー適用および大手自動車部品メーカーを中心とした生産系業務改革、
原価企画・原価管理システム構築のプロジェクトマネージメントに従事。2013年に株式会社アムイを設立し大手から中堅中小製造業の業務改革、業務改善に伴うIT推進コンサルティングを手掛けている。「現場目線でのものづくり強化と経営効率向上にITを生かす」活動を展開中。
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