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ラズパイでバルブの開閉状態をセンシングする(その2):ラズパイで製造業のお手軽IoT活用(11)(1/2 ページ)
小型ボードコンピュータ「Raspberry Pi(ラズパイ)」を使って、低コストかつ現場レベルでIoT(モノのインターネット)を活用する手法について解説する本連載。第11回では、気体や液体を管理するバルブの開閉状態をラズパイとセンサーの組み合わせでセンシングする事例を紹介する。
前回は、小型ボードコンピュータの「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、略してラズパイ)」を用いて行う気体の配管に取り付けられたバルブの開閉センシングについて、カメラを用いる手法を紹介しました。今回は、センサーを用いたバルブの開閉センシングについて解説します。
1.システムの全体像
さまざまな実験などを行う研究開発施設では、ボンベ室に設置したボンベから、各研究セクションの設備に配管を通じてさまざまな気体が供給されます。例えば、研究セクションが10カ所あるとして、それぞれに10本の配管がつながっていれば合計で100本の配管が必要になります。各研究セクションとボンベ室は離れた場所にあり、これら100本の配管それぞれの開閉状態を確認するには人手による目視作業が必要であり、時間がかかることが課題になっていました。そこで、センサーを使用して次のようなシステムを構築しました(図1)。
- ①ボンベ室の気体の圧力値を測定
各気体が入ったボンベに圧力センサーを設置し測定した圧力値を定期的に収集する - ②各研究セクションに供給する気体の開閉をセンサーで検知
各セクションの配管に設置されているバルブにセンサーを設置して開閉状況を検知してラズパイ経由で情報を収集する - ③上記①〜②について離れた事務所でモニタリング
ネットワーク経由で離れた事務所で画面でモニタリングする
2.ボンベ室の圧力測定
ボンベ室では、ボンベの口にかませたバルブチーズと配管をつなぎ、この配管への気体の流れから圧力センサーで圧力を測定できるようにしました(図2)。センサーからの圧力の測定値情報はA-D変換ユニットを通じてPLCのアドレスに常時格納されますので、それをモニタリングサーバが定期的に収集、蓄積します。
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