ニデックから電動車向けシミュレーションツール、自動車以外にも対応:電動化
ニデックアドバンステクノロジーは電動車の設計と解析向けの統合的なシミュレーションツール「E-Transport Simulator」を開発した。
ニデックアドバンステクノロジーは2024年7月19日、電動車の設計と解析向けの統合的なシミュレーションツール「E-Transport Simulator」を開発したと発表した。開発期間の短縮や試作費用の低減を図る。自動車だけでなく、ドローンやeVTOL(電動垂直離着陸機)、鉄道車両、航空機、船舶などの電動化が進むモビリティにもシミュレーションを適用できる。
駆動用モーターやインバーター、ギアを含むeAxleの特性だけでなく、電動車を車両全体でシミュレートする。車体の条件や走行環境に適合するモーターやコンポーネントなどを提案する他、詳細な計算による試験時間の短縮、実測との差異解析の効率化に貢献するとしている。
電動化が進む中で、車両を構成するコンポーネントを個々に開発するのではなく、全体を1つのシステムとして最適化することが求められている。開発したツールは各コンポーネントだけでなく車両全体をデジタルツイン化する。
ツールには複数のコンポーネントに対してパラメータの最適解を探索するAI(人工知能)機能を搭載しており、モーターやインバーター、バッテリー、ボディーなどの効率的な複数の組み合わせを提案する。これにより、開発の初期段階で車両全体の特性を検討できるとしている。全体の最適化からコンポーネントの組み合わせの検討までカバーすることで、開発の初期段階から詳細評価まで全ての開発フェーズでツールを利用できるようにした。
将来の適用範囲拡大を見据え、複数のモーターを使用した場合や、モーターに新構造を採用した際の解析など機能追加を予定している。ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズや、ニデックアドバンステクノロジーのモーターベンチとの統合も検討している。
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