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中国自動車メーカーの成長続く、垂直統合や長時間残業が強みに電動化(1/2 ページ)

アリックスパートナーズは自動車業界の展望レポートの最新版を発表した。

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 アリックスパートナーズは2024年7月10日、自動車業界の展望レポートの最新版を発表した。

 新車販売台数については、中国が年平均成長3%で当面の伸びをけん引する一方で、米国と欧州は年平均成長率が1%未満と鈍化する。今後の新車市場の成長は、中国の他、東南アジアや南米が中心となる。

 欧州の販売台数は2027年までは東欧がけん引するが、年平均成長が約1%の微増にとどまる。米国ではPHEV(プラグインハイブリッド車)への関心の高まりが市場を後押しする。2030年には内燃機関車の販売シェアが35%にとどまり、EV(電気自動車)とPHEVを合わせたシェアが41%に達する。

 中国の販売台数は、2024年は前年比4.7%増の2670万台で比較的小幅な成長にとどまるが、2030年には3200万台を超え、このうち70%は中国ブランドが占めると見込む。日本の販売は長期的な人口減少とともに販売台数が減っていくという。

EVの普及

 EVとPHEVは、需要急増により2030年までに世界市場の4割以上を占め、内燃機関車は40%以下に落ち込むと見込む。

 EVを購入する可能性が「非常に高い」「ある程度高い」という割合の推移を見ると、日米欧は横ばいで低迷しているが、中国では97%まで増加した。EVの価格は中国ではエンジン車とほぼ同等だが、欧米ではエンジン車よりも35〜55%高く、EVに移行するハードルが高い。

 欧州におけるEVの普及は政府目標を下回っているため、補助金の継続的な提供や急速充電の普及、電池やコストの技術的な進化が必要だとしている。米国では、EV優遇規制の縮小を踏まえてPHEVのシェアが2030年までに拡大すると見込む。CAFE規制をクリアするためにも、EVより収益性のよいPHEVを製造、販売するインセンティブが出てきたとしている。

 日本でのEV普及は短期的には軽自動車タイプのラインアップ拡充で微増。2030年以降のインフラ整備の進展や技術革新でEVのシェアが加速的に増加する。HEV(ハイブリッド車)は価格や利便性の優位性を保ちながらシェア6割を占める主要なパワートレインとなる見通しだ。

中国の自動車メーカーの動向

 中国ブランドの中国国外での販売は2030年までに900万台に達し、シェアは13%に増加するという。グローバルシェアは33%に達すると見込む。中国自動車メーカーのコスト面での優位性や国外での現地生産化、消費者の移り変わる嗜好に対応した商品の展開が成長の要因だという。また、中国市場での中国ブランドのシェアは2030年までに72%に拡大すると見込む。

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