ティアフォーは2024年7月18日、自動運転のAI(人工知能)開発でのデータ共有のため日本交通と協業を開始したと発表した。データ記録システム(Data Recording System、DRS)を搭載した車両を用いて共同でデータを収集し、大規模な共有データ基盤を構築する。
ティアフォーが開発したDRSは、LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)やカメラ、ECU(電子制御ユニット)により、車両の周囲360度や挙動のデータを高精度に記録する。センサーやECUの同期やキャリブレーションを行い、自動運転AIの開発に必要な高品質なデータを収集できるようにした。
収集したデータは、Co-MLOpsプラットフォーム(Cooperative Machine Learning Operations)にアップロードされた後、品質の確認や共有のための匿名化、検索のためのタグ付けなどが自動でクラウド上で行われる。また、アクティブラーニング基盤による評価に基づき、AIの性能向上に有効なデータに対して優先的にアノテーションを行う。利用者が自動運転AIの開発に必要なMLOpsを効率的に推進できるとしている。
2024年は日本交通の車両5台ほどを用いて、主に東京都内でデータ収集を行う。ティアフォーでは、これまでに収集したデータと併せて2024年末までに20万フレーム以上のアノテーション済みデータセットの構築を目指す。2025年以降は車両を20台以上に拡大し、より広範囲で豊富な種類のデータセット構築を進める。
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