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ハイエンドヘッドフォンの新たな挑戦、3Dプリンタによる量産で革新を生み出す:3Dプリンタニュース(3/3 ページ)
飯田ピアノが、独自開発のヘッドフォンブランド「KuraDa」として6年ぶりの新製品「KD-Q1」を発表。前モデルの「KD-P1」が切削加工を用いていたのに対し、KD-Q1は3Dプリンタで量産していることが大きな特徴になる。
オーディオ評論家の麻倉怜士氏が高い評価「清潔な音」
KD-Q1の「新開発音響設計」については、OFC(無酸素銅)ボイスコイルを採用した53mm径のウルトラレスポンシブダイアフラムドライバー、新開発の3次元立体縫製イヤーパッドによる密閉度の高さ、3Dプリント部品の採用による軽量化で可能になった軽側圧設計が生む圧迫感の小ささなどにより、ハイエンドヘッドフォンとしての性能を実現している。
会見では、オーディオ評論家の麻倉怜士氏が登壇しKD-Q1の音質について解説した。296gという軽さに強い印象を抱いたという麻倉氏が挙げるKD-Q1の特徴は3つある。1つ目は、音の質感がナチュラル、いい意味で中庸であることだ。「清潔な音であり、作ってる感じがしない」(同氏)。2つ目は、時間的なレスポンスの良さで、音の立ち上がりと立ち下がりがどちらも鋭いとする。3つ目は、微小信号がよく出る点で、楽曲の空気感やニュアンスを的確に再現できるとしている。
KD-Q1の予約開始日は2024年7月22日で、発売日は同年8月5日。価格はオープンだが、市場売価は20万円前後(税別)を想定している。全国のオーディオ専門店、家電量販店で販売する他、静岡県三島市のふるさと納税の返礼品にも採用される(9月ごろに掲載)予定だという。
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