出力1500Aの厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム:FAニュース
ダイヘンは、厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITAL AUTOMELT」の販売を開始する。定格出力電流1500Aはデジタル制御溶接機としては世界最大で、溶接パス数削減や高速溶接により作業工数を大幅に削減する。
ダイヘンは2024年7月1日、厚板溶接向けデジタルサブマージアーク溶接システム「DIGITAL AUTOMELT」を発売した。単電極仕様は1090万円、二電極仕様は2010万円(各税別)で、年間200式の販売を予定する。
溶接電源形式「WB-S1500」の外形寸法は614×1138×1260mmで、質量は323kg。定格出力電流1500Aはデジタル制御溶接機としては世界最大で、溶接パス数削減や高速溶接により作業工数を大幅に削減する。母材への入熱を抑制し、強度低下も防ぐ。
デジタル化したことで、電流や電圧などの溶接条件を直接数値で設定できる。最大100件の溶接条件を記憶し、再現性の高い安定した溶接で脱技能化に寄与する。
ヘッド、キャリジ形式「SW(T)-24D」「CR-64D」の適用ワイヤ径は2.4、3.2,、4.0、4.8、6.4mmで、台車走行速度は低速ギアで最大150cm/分、高速ギアで最大500cm/分。ワイヤ送給モーターとキャリジ走行モーターはエンコーダーフィードバック制御され、数値による正確な設定と精密な制御が可能だ。
「直流(EN)」「交流」「直流(EP)」と、「定電流」「定電圧」をそれぞれ組み合わせた6つの溶接モードを搭載する。そのうち「交流定電圧モード」は、新モードとして追加した。高温割れを防止するほか、溶着量や溶け込み深さなどを調整できる。
また、同製品はスチールウールレススタートで、従来機のように丸めたスチールウールを母材とワイヤの間に挟んで通電する手間も省ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 軌跡精度の向上で高品質アーク溶接、高い耐ノイズ性と耐環境性の協働ロボット
ダイヘンは、優れた軌跡精度で高品質なアーク溶接ができる協働ロボット「FD-VC4」の販売を開始した。直線や円弧などの軌跡精度を大幅に向上したほか、高い耐ノイズ性と耐環境性を備える。 - インバーター制御採用のアークスタッド溶接機、大幅な省エネと軽量小型化を実現
ダイヘンは、小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」とスタッドガン「GSK-221 II」を発表した。インバーター制御にすることで、約70%省エネ化している。また、100kg軽量化、小型化しつつも、最大1200Aの出力に対応するなど耐久性に優れる。 - 撮って選ぶだけでロボットプログラムを自動生成する教示レスシステム
ダイヘンは、ワークをタブレットで撮影し、溶接したい箇所を選択するだけでロボットプログラムを自動生成する教示レスシステムの販売を開始した。プログラム作成時間を最大60%削減する。 - AIで溶接条件を自動設定する最上位溶接機、溶接ガイド機能を搭載
ダイヘンは、最上位溶接機の最新モデル「Welbee II」3機種を発売した。AIがパルス波形を最適な形へ自動調整するスマートパルスにより、安定した高速溶接に対応する。 - 純銅の溶接欠陥を95%削減する新たなレーザー溶接技術を確立
古河機械金属と古河電気工業は、純銅の溶接欠陥を大幅に抑制する新しいレーザー溶接技術の確立に成功した。純銅の溶接時にビームモードを最適化することで、溶接欠陥量を従来比で95%以上削減する。 - アルミニウム合金の溶接欠陥を大幅に削減するファイバーレーザー溶接技術
古河電気工業は、自動車用アルミニウム合金の溶接欠陥を大幅に抑制するファイバーレーザー溶接技術を開発した。