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撮って選ぶだけでロボットプログラムを自動生成する教示レスシステム:産業用ロボット
ダイヘンは、ワークをタブレットで撮影し、溶接したい箇所を選択するだけでロボットプログラムを自動生成する教示レスシステムの販売を開始した。プログラム作成時間を最大60%削減する。
ダイヘンは2022年9月8日、ワークをタブレット端末(iPad Pro)で撮影し、溶接したい箇所を選択するだけでロボットプログラムを自動生成する教示レスシステムの販売を開始すると発表した。価格は52万円(税別)で、販売予定台数は350台となる。
タブレット端末上でプログラム作成が完結するため、容易に操作できる。プログラム作成時間を最大で60%削減する。また、専用の視覚センサーが不要で、経費削減に貢献する。
iPad Proのアプリ上でAR(拡張現実)マーカーと溶接対象物を同時に撮影すると、溶接箇所の候補となるポイントを撮影データから抽出する。一度に撮影しきれない対象は、複数画像を合成することで対応する。
溶接したい箇所のタグをタッチパネル上でタッチし、リストから溶接開始、終了点や補間種別を選択する。プログラムを画面タッチだけで生成し、ロボットへ転送して作業が完了する。
iPad Pro上にロボットと同期したティーチングデータを表示することで、確認および編集作業が可能となる。タブレット端末とロボットコントローラーの通信は、有線接続、無線接続双方に対応する。
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