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塗装ロボット向け防爆型塗料定量供給装置、塗料の数値化と正確な制御を実現:産業用ロボット
タクボエンジニアリングは、防爆型塗料定量供給装置「シリンジポンプ」の単体販売を開始する。塗料の数値化と管理により正確に制御することで、塗装コスト、品質、環境問題の大幅な改善に貢献する。
タクボエンジニアリングは2024年5月29日、防爆型塗料定量供給装置「シリンジポンプ」の単体販売を開始すると発表した。同社製塗装ロボットの付帯機器として提供していた、シリンジポンプの単体ニーズに応える。同年6月初旬に発売し、循環式シリンジポンプシステムの標準価格は約585万円(税別)からとなっている。
単体販売するシリンジポンプは、既存の塗装ロボットなどへ簡単に接続できる塗料供給システムに再設計して提供する。塗料の数値化と管理により正確に制御することで、塗装コスト、品質、環境問題の大幅な改善に貢献する。
既存の塗装ロボットシステムなどへの接続は、塗料供給部分を置き換えるだけで設置できる。新開発の専用コントローラーが付属し、タッチパネルで簡単に操作できる。また、既存の制御盤とは、CC-LINKなどでの接続にオプション対応し、本体での制御も可能だ。
標準で循環式とワンカップ式の2機種を提供し、さらに2ガン仕様や吐出制御などのオプションも用意する。循環式は量産に、ワンカップ式は少量多品種、テスト塗り、塗り板見本、塗膜試験などに適している。
塗料をバルブ間で循環させる循環式は、シンナーなどの洗浄液で回路を洗浄できる。また、シリンダーのメンテナンスには工具は不要で、内側に特殊コーティングを施しているため、残塗料を簡単に洗浄できる。
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