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スズキのバイオガスプラントがインドで稼働、敷地内の多年草が原料:脱炭素
スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディアがハリヤナ州マネサール工場にバイオガス精製の試験プラントを設置した。
スズキは2024年7月1日、インド子会社のマルチ・スズキ・インディアがハリヤナ州マネサール工場にバイオガス精製の試験プラントを設置したと発表した。同年6月から稼働している。
設置した試験プラントは実用プラントとほぼ同等の機能を持つ。マネサール工場の敷地内で栽培されたイネ科の多年草「ネピアグラス」や工場の食堂で出た残飯を原料にバイオガスを発生させる。試験プラントでガスを精製し、工場の食堂での調理や生産工程に使用する。残渣は有機肥料としてネピアグラスの栽培などに活用する。
設置した試験プラントでは1日0.2トンのバイオガス精製を見込んでいる。このガスを使うことで年間190トンのCO2排出を削減する。
マルチ・スズキは各工場への太陽光パネルの設置やグリーン電力の採用など再生可能エネルギーの活用を推進してきた。今後、2024年度から3年間で合計45億ルピーを再生可能エネルギー関連に投資する。
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