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三菱ケミカルが九州に半導体フォトレジスト用感光性ポリマーの量産設備を新設:工場ニュース
三菱ケミカルグループは、三菱ケミカル九州事業所福岡地区に、ArFおよびEUVフォトレジスト用リソマックスの量産設備を新設する。ArF用は生産能力が2倍以上になり、EUV用は初の量産開始となる。
三菱ケミカルグループは2024年6月12日、福岡県北九州市の三菱ケミカル九州事業所福岡地区に、ArF(フッ化アルゴン)フォトレジスト用リソマックスとEUV(極端紫外線)フォトレジスト用リソマックスの量産設備を新設すると発表した。
リソマックスは、半導体の回路パターンをウエハーに転写するフォトリソグラフィー工程で用いられるフォトレジスト用の感光性ポリマー製品だ。金属含有量や不純物が少なく、半導体回路が微細化しても対応可能な高い品質を備える。
ArFフォトレジストとEUVフォトレジストは半導体回路の微細化に不可欠で、今後も市場成長が見込まれる。そのため、原料となるリソマックスも需要拡大が予想される。三菱ケミカルグループでは、神奈川県横浜市の関東事業所鶴見地区でリソマックスを生産しているが、その需要拡大に対応するため、量産設備の新設を決定した。
量産設備の稼働は、ArF用が2025年10月、EUV用は同年9月に開始予定。これによりArF用は生産能力が2倍以上になり、またEUV用は初の量産開始となる。
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