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中国メーカーが復活しx86は徐々に衰退――COMPUTEX TAIPEI 2024組み込みレポート組み込みイベントレポート(3/3 ページ)

2024年6月4〜7日の4日間、「COMPUTEX TAIPEI 2024」が開催された。会期を前年の5日から4日に短縮したものの、来場者は大幅に増加し大盛況となった。生成AIに沸いた今回のCOMPUTEXだが、本稿ではいまいちその恩恵に預かれていない感もある組み込み関連の展示についてレポートする。

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 そういえば今回、SBCなどではなく組み込み向けのマザーボードとして唯一展示されているのを見かけたのはMSIのMS-CF06図12)のみ。もうPCをそのまま組み込みに使うという時代ではなくなってきており、x86を使いたければSBCないしSOMを使え、ということかもしれない。

図12
図12 第12/13/14世代Core(つまりAlder Lake/Raptor Lake/Raptor Lake Refresh)に対応するマザーボード。PCIバスはiTEのPCIe/PCI Bridge経由で接続されているものと思われる[クリックで拡大]

 それとは関係ないが、そのMSIは、先日発売されたばかりのEPYC 4004向けマザーボードとしてD3051図13)とD3052図14)の2枚を展示していた。AMDの場合、EPYC EmbeddedはともかくEPYCシリーズは組み込みの現場に持ち込むにはちょっと“オーバーキル”なところがあった。EPYC 4004シリーズは従来のPCと同じ寸法でプラットフォームが用意できる分、これまでよりも容易に組み込み向けに利用できそうである。

図13
図13 MSIでの型番はMS-S3361。組み込み用というよりもエッジサーバ向けといった感じ。イーサネットは10GBase-T+GbE×2だが、ディスプレイ出力がVGAのみというのはちょっと思い切りが良すぎないだろうか? 大型の掲示板やデジタルサイネージのコントローラーなど向けには良さそうではあるが[クリックで拡大]
図14
図14 一見同じだが、HDMI出力やSPF28ポート×2を搭載するなど、少し構成が異なる。これもシルクにMS-S3661と記載されてるのだが、S3662の間違いではなかろうか?[クリックで拡大]

組み込み向けのAIはどこに?

 今回のCOMPUTEXはもうとにかくAI(人工知能)がメインテーマであって、NVIDIAやSuperMicro、MediaTekといったメーカーは生成AIに向けたクラウド側のソリューションを、Intel、AMD、Qualcommはクライアント側のCopilot+ PCに向けたソリューションをそれぞれ大々的にアピール。またINNOVEXでも、少なからぬメーカーがAIソリューション(主にソフトウェア)を発表していたりしたのだが、置いてけぼりだったのが組み込み向けのAIだ。

 NVIDIAのJetson Nanoをベースにしたボードソリューションを展示していたブースもあったが、単にJetson NanoベースのSBCなどが並んでいるだけで、あまり見るべきものはなかった。唯一組み込み向けということで複数メーカーから展示されたのがHailoのHailo-8のソリューションである(図15)。

図15
図15 これはLex SYSTEMの、Elkhart LakeベースのSBCにHailo-8を搭載したもの。3社ほどがこうしたHailo-8を搭載した製品を展示していた[クリックで拡大]

 もっともこれ、前回も展示されていたことを考えると決して新しいものではないのだが、逆に言えばエッジAIよりもさらに端っこというかエンドポイントAIに近いところはまだこの程度、という言い方もできる。2024年からは、AI処理向けのNPUを搭載したMCUが本格的に市場に出てくる(NXPのMCXシリーズ、InfineonのPSOC Edge、ALIF SemiconductorのEnsemble E1C、etc……)ことを考えると、次回の2025年のCOMPUTEXあたりではもう少し充実してくれてもよさそうな気はするのだが。

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