この記事は、2024年6月17日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
Appleが“ようやく”生成AIの戦略に関する大きな発表をしたということで注目を集めました。開発者向けの年次イベントWWDC(Worldwide Developers Conference)で発表した「Apple Intelligence」の話です。音声アシスタント「Siri」の機能強化をはじめ、多くの新機能がデモ動画などを通じて披露されました。ついにApple製品のUXに生成AIが本格的に関わるようになったのです。
GAFAMの一角であるAppleの満を持しての大型発表……でしたが、実は発表後すぐの国内大手メディアの反応はなかなか厳しいものでした。例えば、日本経済新聞は「Apple、期待外れの自社生成AI 収益源iPhoneに影」と報じていますし、読売新聞も「苦戦続くiPhone、生成AI搭載発表も株価下落…市場『革新性なし』」としています。その他のメディアでも、AppleのAI戦略に懐疑的な反応や声を紹介する記事が幾つか上がっていました。
スマートフォン上で動く「AIエージェント」の構想
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