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Webブラウザで動作する3D CADに注目してみたテルえもんが見たデジタルモノづくり最前線(2)(4/4 ページ)

連載「テルえもんが見たデジタルモノづくり最前線」では、筆者が日々ウォッチしているニュースや見聞きした話題、企業リリース、実体験などを基に、コラム形式でデジタルモノづくりの魅力や可能性を発信していきます。連載第2回のテーマは「Webブラウザで動作する3D CAD」です。

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6.CADmium

 「CADmium」は、現在開発途中のWebブラウザ上で動作するオープンソースの3D CADです。専用Webサイトにアクセスするだけで、アカウント作成することなく、無料で使用できます。現状はスケッチを描いて、押し出して立体を作成する程度の機能しかなさそうですが、今後の開発が楽しみな3D CADです。

 CADmiumのソースコードは、GitHubに公開されています。開発に関する情報も英語ですが公開されています。

「CADmium」の操作画面イメージ
図6 「CADmium」の操作画面イメージ[クリックで拡大]

今回のまとめ

 今回は、“Webブラウザで動作する3D CAD”について取り上げました。共通のメリットとしては、クラウド上で計算処理などが行われるためハイエンドPCを用意する必要がないこと、アプリケーションをPCにインストールすることなくすぐに使えること、「Windows」や「macOS」などOS環境に依存せずにさまざまなデバイスから使えること、いつでもどこからでもアクセスできることなどが挙げられます。また、中には無料で試せる/始められるものもありましたね。

 一方、デメリットとしては、インターネット接続が必要で、回線速度の影響を受けてしまう点が挙げられます。また、通常版と比較して一部機能が制限されているケースなどもあります。

 Webブラウザで動作する3D CADならではの特長として、常に最新版の環境が使えることが挙げられます。PCにインストールするタイプの通常の3D CADのように、ユーザーの手でアップデート作業を行う必要はありません。また、基本的に設計データはクラウドに保存されているため、データの共有やコラボレーションが容易に行える点も大きな特長といえるのではないでしょうか。

 Webブラウザで動作する3D CADは、個人の趣味や勉強用途だけでなく、本格的な設計業務で使用できる機能を有するものもありますので、今回の記事を参考にしつつ、今後の機能アップデートなども注視しながら、現場導入を検討してみるのもよいでしょう。今まさに、各ツールベンダーがこぞって開発を進めていますので、筆者自身も今後のさらなる進化を楽しみにしています。 (次回へ続く

⇒ 連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール

小原照記(おばら てるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。


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