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Webブラウザで動作する3D CADに注目してみたテルえもんが見たデジタルモノづくり最前線(2)(3/4 ページ)

連載「テルえもんが見たデジタルモノづくり最前線」では、筆者が日々ウォッチしているニュースや見聞きした話題、企業リリース、実体験などを基に、コラム形式でデジタルモノづくりの魅力や可能性を発信していきます。連載第2回のテーマは「Webブラウザで動作する3D CAD」です。

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4.Tinkercad

 「Tinkercad」は、オートデスクが提供する無料のWebブラウザ版3D CADです。「シェイプ」と呼ばれる基本形状を組み合わせてモデリングする直感的で分かりやすいインタフェースになっており、子どもでも楽しみながら形状を作り上げることが可能です。作成した3Dモデルは、3Dプリントに適したSTLやOBJ形式でデータ出力できます。これらのファイル形式だと他の3D CADでの編集や修正は難しいですが、同じオートデスクの「Fusion」(次項で紹介します)であれば、ソリッドデータとして読み込むことで、編集、修正などが可能です。

「Tinkercad」の操作画面イメージ
図4 「Tinkercad」の操作画面イメージ[クリックで拡大]

 筆者が過去にTinkercadを使用したときの様子をYouTubeの動画に公開しているので、参考にしてみてください。

動画3 Tinkercadでコップをつくってみたよ〜

5.Fusion

 オートデスクのFusion(旧:Fusion 360)は、クラウドベースの3D CADですが、PCにアプリケーションをインストールして使用します。ただし、作成したデータなどは基本的にクラウドに保存されるため、普段とは異なるPCやデバイスから設計データを確認することも可能です。また、負荷のかかるシミュレーションの計算処理についてもクラウド上で行われるため、解析用途の高スペックPCをわざわざ用意する必要はありません。

 個人の趣味などの非営利目的での利用であれば、機能制限はありますが、無料で使用できます。また、学生も無料で使用することが可能です。商用利用の場合でも年額10万円程度で使用できます(公式サイト)。

 Fusionの場合、アプリケーションそのものはPCにインストールされていますので、インターネットの回線速度に関係なく、スムーズかつ安定した操作が可能です。また、インターネット接続していない状態でもオフラインモードで一時的に使用することもできます。設計データに関してもローカルに一時的に保存できますので、外出先などでインターネットに接続できない状況でも、データを開いて、編集/修正などの作業が行えます。

 「あれ? 今回は“Webブラウザで動作する3D CAD”を紹介してくれるのでは?」と思われている読者の皆さんもいらっしゃるでしょう。実は、Fusionのサブスクリプションメンバーであれば、WebブラウザからアクセスできるオンラインバージョンのFusionを使用できます。専用Webサイトからサインインすることで使用可能です。ただ、残念ながら現在は英語版のみとなり、一部使用できない機能もあります。

オンラインバージョンの「Fusion」の操作画面イメージ
図5 オンラインバージョンの「Fusion」の操作画面イメージ[クリックで拡大]

 Fusionに関しても筆者のYouTubeチャンネルに多く動画を公開していますので、ぜひ参考にしてください。

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