国内の医用画像関連システム市場、2022年度は前年度比4.3%減:医療機器ニュース
矢野経済研究所は、国内の医用画像関連システム市場の調査結果を発表した。2022年度の国内市場規模は573億1900万円で、2023年度以降は600億円前後の横ばい傾向での推移を予測する。
矢野経済研究所は2024年5月27日、国内の医用画像関連システム市場の調査結果を発表した。2022年度の国内市場規模は573億1900万円で、2023年度以降は600億円前後の横ばい傾向での推移を予測する。
調査は、2023年12月〜2024年3月に実施。医用画像関連システムのうち、Radiology PACS(Picture Archive and Communication Systems)、Cardiology PACS、3Dワークステーション、RIS(放射線情報システム)および治療RIS、検像システム、線量管理システムを対象とした。
2022年度の同市場は、前年比4.3%減の573億1900万円と推計する。前年の2021年度は、新型コロナウイルス感染症に伴うシステム導入、更新の遅延などから回復したことで前年比6.6%増加しており、その反動で市場が減少したと推測している。また、2019年度の義務化により拡大した線量管理システム市場が、2020年度の拡大以降は減少トレンドにあることも指摘する。
医用画像関連システムの中心となるRadiology PACSは、診療報酬改定により2009年度以降に導入率が上昇。新規導入からリプレース中心へと移行し、市場は緩やかなマイナス成長が続いている。RISおよび治療RIS、検像システムなどのRadiology PACS周辺システムもリプレースが中心のため、関連市場はおおむね横ばい基調だ。
2023年度以降はコロナ禍の影響も減り、さらに市場の大半がリプレース中心となっていることから、市場規模は600億円前後での推移を予測する。こうした中で、医療画像関連ベンダーの多くが画像診断関連のAI(人工知能)サービスを手掛けるようになっている。
また、患者がスマートフォンなどで病院内の医療情報を参照できるPHRサービスや、デジカメ画像管理関連などさまざまなソリューションへの取り組みが拡大。今後、こうした動向は加速すると予想している。
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