医療技術におけるソフトウェアディファインドワークフロー開発を促進:医療機器ニュース
MathWorksは、「MATLAB」を「NVIDIA Holoscan」プラットフォーム上で利用可能にする統合を実施する。同プラットフォームで、AI対応アプリケーションを開発および展開することが可能になる。
MathWorksは2024年5月8日、同社の「MATLAB」を、医療機器開発向けプラットフォーム「NVIDIA Holoscan」に統合すると発表した。NVIDIA Holoscan上でMATLABが利用可能になることで、既存のMATLABアルゴリズムのコードベースを使用してAI(人工知能)対応アプリケーションを開発、展開することが可能になる。
MATLABは、エンジニアや科学者のための言語であり、アルゴリズム開発、データ解析、可視化、数値計算のためのプログラミング環境となる。今回、ストリーミングデータの解析および可視化アプリケーションをより高速に開発、展開するために、既存のMATLAVアルゴリズムと関数を、GPUで高速化されたリアルタイムのデータ処理と推論用のNVIDIA Holoscan演算子にラップした。
「複数の医療目的に使用するためのソフトウェアで、医療機器ハードウェアに組み込むことなくこれらの医療目的を実行するソフトウェア」と定義されるプログラム医療機器(SaMD)製品が市場に展開後も競争力を維持するためには、長期にわたり追加のソフトウェア機能を統合できる機能が必要だ。そのためには、エンジニアが開発用のソフトウェアディファインドワークフローを開発する必要がある。
NVIDIA Holoscanは、複数のインフラを提供するセンサー処理プラットフォームのため、拡張性のあるソフトウェアディファインドなストリーミングデータ処理が可能となる。MATLAVとNVIDIA Holoscanでは、検証と妥当性確認機能を使用して、開発したソフトウェアディファインドワークフローをIEC62304を含む業界の規制や規格に準拠させることができる。
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