SDV開発に向けたオープンソースのプラットフォーム提供のため協業:車載ソフトウェア
Red Hat(レッドハット)は、将来のSDVに向けた、ルネサス エレクトロニクスとの協働を発表した。同社の「Red Hat In-Vehicle Operating System」をルネサス エレクトロニクスの「R-Car」用ソフトウェア開発キットと統合し、新機能を提供する。
Red Hat(レッドハット)は2024年5月13日、将来のSDV(ソフトウェアデファインドビークル)に向けた、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)との協働を発表した。同社の「Red Hat In-Vehicle Operating System」をルネサスの「R-Car」用ソフトウェア開発キットと統合し、新機能を提供する。
Red Hat In-Vehicle Operating Systemは、自動車に特化したLinux OS基盤となる。従来は、安全の重要性が異なる作業は別々の仮想マシンとOSを用意していたが、効率的なコンテナ化で複雑性とリソース利用を抑えることができる。
ルネサスのR-CarソリューションにRed Hat In-Vehicle Operating Systemを稼働させることで、SDVの技術進歩を強化できる。機能的な安全性とセキュリティを維持しつつ、新機能やハードウェアアップグレードの開発サイクルを加速させることができる。
また、バーチャルシミュレーターを含むクラウドネイティブ環境を提供し、デジタルツインを通じて、ソフトウェアとハードウェアを同時に開発可能にする。オープンコードで構築した新基準と企業サポートにより長期的な持続性を強化し、堅牢なセキュリティを確保し、開発コストや市場投入までの時間を短縮する。
ルネサスのレファレンスプラットフォームを含む、新コンピュートプラットフォームは、2024年後半に提供予定だ。
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