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エッジデバイスをクラウドネイティブにするレッドハット、着々と事例も積み重ねEdge Tech+ 2023(1/2 ページ)

レッドハットは、「EdgeTech+ 2023」の出展に合わせて横浜市内で会見を開き、同年10月末に一般提供(GA)リリースを開始したエッジデバイス上でのコンテナ運用を可能にする「Red Hat Device Edge」のユーザーやパートナーの取り組みを紹介した。

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 レッドハットは2023年11月15日、「EdgeTech+ 2023」(同年11月15〜17日、パシフィコ横浜)の出展に合わせて横浜市内で会見を開き、同年10月末に一般提供(GA)リリースを開始したエッジデバイス上でのコンテナ運用を可能にする「Red Hat Device Edge」のユーザーやパートナーの取り組みを紹介した。

レッドハットが「EdgeTech+ 2023」に出展したミニチュアのスマート工場。倉庫からボールを搬送して加工/研磨し、色別に仕分けるプロセスの制御や見える化するダッシュボードのアプリケーションをコンテナによって管理している[クリックで再生]

 Red Hat Device Edgeは、エンタープライズIT向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」の軽量版である「RHEL for Edge」と、Kubernetesコンテナプラットフォーム「Red Hat OpenShift(OpenShift)」の軽量版に当たる「MicroShift」、オプションにはなるもののエッジデバイスの運用自動化に用いる「Red Hat Ansible Automation Platform」をパッケージにしエンタープライズサポートを提供するプロダクトである。最小ハードウェア要件は、CPU2コア(x86/Armの両対応)、メモリ2GB、ストレージ容量10GBとなっており、「Raspberry Pi 4」クラスの小型ボードコンピュータにも適用できる。

「Red Hat Device Edge」の概要
「Red Hat Device Edge」の概要[クリックで拡大] 出所:レッドハット

 同社はこれまで、Red Hat Device Edgeのβ版に当たるテクノロジープレビューなどを展開する中でユーザーやパートナーの開拓を進めてきたが、GAリリースとEdgeTech+ 2023の出展を契機に国内組み込み市場への浸透を広げていきたい考えだ。今回の会見では、ユーザーのジェイアール東海情報システムと、パートナーのたけびし、マクニカの取り組みを紹介した。

JR東海の鉄道を保守するIoT/機械学習プラットフォームへの適用を検討

 ジェイアール東海情報システムは東海旅客鉄道(JR東海)の子会社で、同社の鉄道事業を支える約200のITシステムの構築と運用を担当している。同社 取締役 DX企画部長の石川勝隆氏は「コロナ禍で利用者が大幅に減少し大きな経営ダメージを受ける中で、効率化に向けた最新デジタル技術の活用の検討を進めることになった。特に、人手や目視に頼っていた検査/修繕について、状態監視や画像認識などを活用した質の向上が求められていた」と語る。

 そのために開発しているIoT(モノのインターネット)/機械学習プラットフォームでは、カメラから得られる画像データ、センサー/PLCなどから得られる時系列データをエッジデバイス経由でクラウドに送信し、クラウド上の機械学習モデルに基づく異常判定を行う仕組みになっている。「機械学習モデルの開発は現場設備のことを熟知している保守担当社員に任せつつ、ITの専門家ではない保守担当社員の手を煩わせないようにモデルのデプロイなどは自動化している」(石川氏)という。

IoT/機械学習プラットフォーム構築の背景と必要性
IoT/機械学習プラットフォーム構築の背景と必要性[クリックで拡大] 出所:ジェイアール東海情報システム

 ただし、現行のIoT/機械学習プラットフォームにおいてエッジデバイスはデータの受け渡す役割しか担っていない。例えば、カメラの画像データをそのまま伝送すると通信量がばく大になることが将来的には課題になることから、エッジデバイス上で機械学習モデルの推論実行を行い、異常判定結果などのメタデータだけを送信することも検討している。ここで活用を想定しているのがRed Hat Device Edgeだ。石川氏は「2023年度上期に構想を完了し、下期にPoC(概念実証)の実装を進める方針。2024年度から事業部での運用検証を始められるようにしたい」と述べている。

IoT/機械学習プラットフォームのアーキテクチャ概要
IoT/機械学習プラットフォームのアーキテクチャ概要[クリックで拡大] 出所:ジェイアール東海情報システム

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