レッドハットが車載ソフトウェア、車載Linuxの機能安全対応や保守管理を支援:つながるクルマ キーマンインタビュー(1/2 ページ)
Red Hat(レッドハット)が車載ソフトウェアに参入する。車載情報機器で採用拡大が見込まれる車載Linux向けに、開発ツールやコンポーネントを展開する。車載情報機器向けのOSはGoogle(グーグル)の「Android」と車載Linuxの2つが主流となっており、グーグルへの依存を懸念する自動車メーカーやサプライヤーが車載Linuxに注目している状況だ。
Red Hat(レッドハット)が車載ソフトウェアに参入する。車載情報機器で採用拡大が見込まれる車載Linux向けに、開発ツールやコンポーネントを展開する。車載情報機器向けのOSはGoogle(グーグル)の「Android」と車載Linuxの2つが主流となっており、グーグルへの依存を懸念する自動車メーカーやサプライヤーが車載Linuxに注目している状況だ。
車載Linuxは、オープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)のメンバーが音声認識機能やクラウド連携など実用的なアプリケーションの開発を進めている。また、トヨタ自動車はAGLのメンバーの中では先行して量産車のインフォテインメントシステムでAGLを採用しており、北米向け「カムリ」では開発したシステムの70%にAGLのコードを使用した実績がある。自動車メーカーとサプライヤー以外にもさまざまな業種がAGLに参加しており、車載Linuxベースのコネクテッドカーの開発が進められている。
レッドハットは、金融や航空、公共インフラ、ヘルスケアなどミッションクリティカルな分野のエンタープライズ向けのLinuxプラットフォームで約25年の実績があり、10〜15年にわたってLinuxカーネルまで含めた保守と更新の経験もある。
安定性や信頼性、セキュリティ面でのノウハウを生かし、車載Linuxの開発を支援する。現在はLinuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)のメンバーではないが、参入を機にAGLとも協力していきたい考えだ。
レッドハットのテクノロジーストラテジストのJered Floyd氏に、車載ソフトウェア参入の狙いや今後の展開を聞いた。
負担はレッドハットにお任せ、機能安全対応も
MONOist 自動車業界は特定のベンダーに依存しない目的でAGLに取り組んでいます。レッドハットは、グーグルと同じようにイニシアチブを握ることになりませんか。
Floyd氏 われわれはグーグルのように独自のOSや特定のアプリケーションを提供するわけではありません。自動車の機能をLinuxで開発できるようツールを提供します。オープンソースのプラットフォームであり、特定のベンダーにとらわれないというメリットは維持されます。Linuxは自動車のOSとして望ましいと考えています。自動車業界に対して、われわれが手伝えることはたくさんあります。Linuxによってイノベーションが進んだ業界は多く、自動車も同様にしてイノベーションが進むのではないでしょうか。
レッドハットのLinuxを使うことで、従来のようなLinuxの管理や保守の負担がなくなります。Linuxの手当てはレッドハットに任せ、自動車メーカーやサプライヤーは得意とする自動車の機能の開発に集中できます。セキュリティ上の脆弱性への手当てもすぐに行いますし、問題が発生したときもLinuxに固有の部分はレッドハットに任せることが可能です。
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