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日立ハイテクらが台湾の研究機関とMIの協創をスタート、最適な分析環境を提供:マテリアルズインフォマティクス
日立ハイテクと日立製作所は、台湾最大の産業技術研究開発機構である工業技術研究院(以下、ITRI)とともに、ITRIが運営するAI/機械学習プラットフォーム「MACSiMUM」と、日立グループのマテリアルズインフォマティクスソリューションを活用した協創を進めている。
日立ハイテクと日立製作所(以下、日立)は2024年5月20日、台湾最大の産業技術研究開発機構である工業技術研究院(以下、ITRI)とともに、ITRIが運営するAI(人工知能)/機械学習プラットフォーム「MACSiMUM」と、日立グループが提供するマテリアルズインフォマティクス(MI)ソリューションを活用した協創を開始したと発表した。
これらの3者は、台湾経済部産業技術局の後援のもと、同協創の開始を記念する式典および交流会を台湾の新竹県で開いた。それぞれの代表者が同協創の意義を共有するとともに、技術力およびリソースを有効に活用して、材料分野における新たな開発と産業の持続的な発展をともに目指すことに合意した。
同協創では、日立ハイテクのグループ会社である日立ハイテク台湾が、材料研究および開発分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する日立のMIを用いた分析環境をITRIに提供する。
これによりMACSiMUMを活用する顧客に必要な分析環境を提供し、実験回数の削減および材料研究開発の効率化、新材料の開発加速、研究開発コスト削減を実現する。同協創を通して、日立ハイテク、日立、ITRIは、台湾の材料開発におけるDXの加速と、新技術の開発/イノベーション促進をサポートするとともに、産業技術水準の向上に貢献していく。
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