横河電機が冗長化機能に対応したプラント向け統合生産制御システムの最新版発表:FAニュース
横河電機は、機能を強化した、プラント向け統合生産制御システム「CENTUM VP R6.11.10」を発表した。産業用ネットワークの通信プロトコル「PROFINET」用通信IOカードに、S2冗長化機能を追加した。
横河電機は2024年4月9日、機能を強化した、プラント向け統合生産制御システム「CENTUM VP(センタム・ブイピー) R6.11.10」を発表した。石油精製や化学、電力、ガス、金属などの市場向けに、同年5月31日から販売を開始する。
最新版では、産業用ネットワークの通信プロトコル「PROFINET(プロフィネット)」用通信IOカードに、S2冗長化機能を追加。IOカードが冗長化構成をとれるようになったことで、プラントの信頼性と稼働率向上につながる。
ネットワーク診断機能なども強化し、PROFINETの機能を定義するConformance ClassesのB(CC-B)認証を取得した。NAMUR NE107準拠の自己診断情報をサポートすることで、モーターの動力電源を集中して制御する動力盤(モーターコントロールセンター)、リモートI/O、Ethernet-APL(Advance Physical Layer:APL)対応機器の操作監視も可能になった。
また、統合アラーム管理サーバ(Unified Alarms and Conditions Server:UACS)とコンプレッサー制御向けソリューション「CCC Inside for Yokogawa CENTUM VP」の機能拡張により、プロジェクトコストの削減とプラントの操業効率向上に寄与する。
UACSで特定のアラームを抑制した際、操作監視ステーション(Human Interface Station:HIS)のグラフィックビュー上に抑制状態を表示できる。ドイツのプロセスオートメーションのユーザー団体「NAMUR】が規定する、NA102対応のアラーム管理が可能になった。
1つのCENTUM VPプロジェクトデータベース上で、プロセス制御システムとコンプレッサー制御システムを統合してエンジニアリングできる。同一ドメインのVnet/IP制御ネットワークに接続でき、システムのシームレスな統合を強化した。
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