1本のフレームを次々に立体構築して作った無色透明なスタジオ用家具:デザインの力
MagnaRectaは、立体造形技術を有する同社のブランド事業「130」がポッドキャスト兼アートギャラリー「J-WAVE ARRTSIDE CAST」向けに、テーブルとチェアを製作したことを発表した。
MagnaRectaは2024年4月17日、立体造形技術を有する同社のブランド事業「130(ワンサーティ)」がポッドキャスト兼アートギャラリー「J-WAVE ARRTSIDE CAST」向けに、テーブルとチェアを製作したことを発表した。
テーブルとチェアは無色透明で、形状は縦と横のラインの長さを均一にし、使用者の視覚を阻害しないことを意識したデザインとなっている。
130は、従来の平面を積み重ねる3Dプリント技術を応用し、1本のフレームを次々と立体構築していく立体造形技術をコアとする。自由な発想のデザイン、軽量性と堅牢(けんろう)性を兼ね備えたプロダクトを手掛けている。また、製品寿命を終えた後は解体し、マテリアルリサイクルして新たなプロダクトに活用する“プロダクトサイクル”を実践する。
ラジオ局J-WAVEのスタジオでもあるJ-WAVE ARRTSIDE CASTは、東急プラザ原宿「ハラカド」内のポッドキャスト兼アートギャラリーで、スタジオ内の壁や床、家具は、長く使用することを前提としている。130は“古くなったら交換するのではなく、経年変化を楽しみ、時間とともに価値を高める”というJ-WAVE ARRTSIDE CASTのブランドコンセプトに共感し、今回のプロジェクトがスタートした。
テーブルは、スタジオ内のエンジニア用と出演者用ともに天板部分を薄くし、マイクスタンドを差し込んで固定できる。エンジニア用のテーブルは、音響用ラック機材の規格分のスペースを開口させ、左右足元に機材を差し込める他、機材の配線を背面から自由に取り回しできる。チェアは、座面部分を42cm規格に合わせており、クッションなどの追加にも対応する。また、底面にかけてテーパー(傾斜)を施した構造に仕上げられているため、違和感なく座ることができる。
スタジオ内の全ての作品は、無色透明の素材を採用。外から差し込む光、原宿の街の色、室内のライティングを透過または反射することで、130の新たな価値観を表現している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 3Dプリンタで作られた高さ10mのサステナブルなクリスマスツリーをお披露目
表参道ヒルズは、3Dプリンタ製のクリスマスツリーが登場する「OMOTESANDO HILLS CHRISTMAS ILLUMINATION 2023」を2023年11月9日〜12月25日に開催する。高さ10mのツリーは約500個の雪の結晶で作られ、ほとんどがPET素材を原料としている。 - どれだけ自動化が進んでも現場に残る“ソコカシコ”の極小タスクを遠隔操作で
ソリッドワークス・ジャパンは2022年11月14日、年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE WORLD JAPAN 2022」を東京都内で開催した。ユーザー事例講演では、MagnaRecta CTO(最高技術責任者)の加藤大直氏が「ライトタスクなロボットアームの開発と実装」をテーマに、同社が開発を進めている「SocoCacico(ソコカシコ)」の取り組みについて披露した。 - 3Dプリンタ活用によるサステナブルなモノづくり事例
地球環境に配慮したモノづくりの実践はあらゆる企業に課せられた重要なテーマの1つだ。本連載では、サステナブル設計の実現に欠かせないデジタルモノづくりにフォーカスし、活用の方向性や必要な考え方などについて伝授する。連載第6回では、3Dプリンタ活用によるサステナブルなモノづくり事例について紹介する。 - 自動車内装部品に採用される一年生植物「ケナフ」で作ったラウンジチェア
トヨタ紡織は「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」において、オフィス家具メーカーのイトーキと共同で開発した「ケナフラウンジチェア」を出品した。成長が早く、CO2の吸収能力に優れる一年生植物のケナフを原料としたチェアで、座面と背もたれ部分にケナフボードが用いられている。 - 90年代の人気家具を広葉樹の廃材から作った木粉ペレットと大型3Dプリンタで復刻
井上企画は、家具の材料に用いられる広葉樹の廃材を活用した木粉ペレット材を独自開発。業務用家具メーカーのアダルと共同で、人気家具の復刻モデルを大型3Dプリンタで製造するプロジェクトを手掛けた。 - 実物を作る前に現実空間でデザインを検討/評価、MRを積極活用するイトーキ
テクノロジーとデザインの融合による価値創出に取り組むオフィス家具メーカーのイトーキは、製品開発のデザイン検討でMR技術を積極的に活用している。