高出力仕様の溶接電源でより幅広い施工に対応、パナの次世代コントローラー:FAニュース
パナソニックコネクトは溶接電源融合型ロボット「TAWERS(The Arc Welding Robot System)」のG4コントローラーシリーズとして、高出力仕様の溶接電源を搭載した「WGH4コントローラー」を日本で発売する。
パナソニック コネクトは2024年4月23日、溶接電源融合型ロボット「TAWERS(The Arc Welding Robot System)」のG4コントローラーシリーズとして、高出力仕様の溶接電源を搭載した「WGH4コントローラー」を同月24日に日本で発売すると発表した。
同社のG4コントローラーは溶接性能のさらなる進化、IoT(モノのインターネット)ソリューション対応力強化、拡大するグローバル販売への対応、エンジニア/保守マンパワー対応の4つをコンセプトとしており、今回のWGH4コントローラーはその中でも特に溶接性能のさらなる進化とエンジニア/保守マンパワー対応に着目している。
近年、自動車産業の溶接現場などでは、タクトタイム短縮やラインストップの低減による生産性の向上が求められている。WGH4コントローラーでは従来の溶接電源から高出力化を図ることで、厚いワークへの対応や溶接速度の向上などを実現。さらに、溶接電源の冷却構造を改善し、粉じんに弱い部品を防塵(じん)構造内に配置することで、高い冷却性と堅牢性を両立した。溶接電源の外部と接続する構成部品を前面に集約しており、メンテナンス性も向上した。
高出力化については、溶接電源部のインバーターやトランスを刷新し、同社の溶接制御技術を組み合わせて実現している。厚いワークにおける深い溶け込みの溶接や高い溶接出力で速度の速い溶接ができ、幅広い溶接施工に対応する。
溶接中の発熱が大きいメイントランスやリアクター類を強制空冷するために非防塵エリアに、粉じんの堆積によって破損が懸念されるプリント基板や半導体部品を防塵エリアに配置した。さらに内部ファンを配置することで、防塵エリア内でも発熱の大きい半導体部品などの温度上昇を抑制した。
溶接電源部とコントローラー部を接続するコネクターやケーブル、出力端子、治具端子、電圧検出端子を全て溶接電源の前面に配置しており、前面パネルを取り外すだけでこれらにアクセスできる。
適用溶接法はCO2/MAG/ステンレスMIG/パルスMAG/ステンレスパルスMIGとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- パナソニックが溶接ロボットコントローラー刷新、速度向上やスパッタ低減を実現
パナソニック コネクトは溶接電源融合型ロボット「TAWERS」の次世代コントローラーとして「G4コントローラー」の販売を開始し、同社の豊中事業所(大阪府豊中市)で発表会を行った。月間生産台数は2200台を予定している。 - 物流業務のタスク最適化機能とロボット制御基盤をパナが開発、自動倉庫で提携も
パナソニック コネクトは物流業務のタスク最適化エンジンとロボット制御プラットフォームを開発した。 - AIで溶接条件を自動設定する最上位溶接機、溶接ガイド機能を搭載
ダイヘンは、最上位溶接機の最新モデル「Welbee II」3機種を発売した。AIがパルス波形を最適な形へ自動調整するスマートパルスにより、安定した高速溶接に対応する。 - 手軽に導入可能なレーザー溶接ロボットシステム、自動教示位置補正機能も
豆蔵は、低価格で導入できる、レーザー溶接ロボットシステムのローエンドモデル「MzLaserRobot-Ha」を発表した。自動ティーチング位置補正機能を採用しており、補正作業を自動化した。 - 1台で切断/溶接/積層造形が可能に、青色レーザーでEV向け銅などの加工にも対応
アマダは光技術関連の展示会「第23回 Photonix」において、3次元レーザー統合システム「ALCIS 1008e」を披露した。発売は2024年を予定している。 - EV部品などの溶接深さを全数検査、品質と生産性を向上するレーザー溶接システム
パナソニック プロダクションエンジニアリングは、品質と生産性を向上するレーザー溶接システム「LW+」を発表した。高生産性、高品質の加工と溶接深さの非破壊全数検査が可能で、スパッタ対策もなされている。