自動盤用突切り工具の新製品、新形状のホルダとインサートが加工能率を向上:FAニュース
京セラは、自動盤用突切り工具の新製品「KGZ」の販売を開始した。独自機構を取り入れた新開発のクランプ構造ホルダや、形状を刷新したインサートが加工の安定性と能率を向上する。
京セラは2024年4月5日、自動盤用突切り工具の新製品「KGZ」の販売を開始した。インサートは129型番、ホルダは内部給油対応を24型番、標準タイプを70型番、サブスピンドル対応を18型番で展開する。
KGZの新設計ホルダは、スリット部、上面クランパ部、ストッパ部それぞれに独自機構を取り入れたクランプ構造となっており、インサートの拘束力を高めることでびびりを抑制する。さらに、加工負荷がかかりやすいホルダの拘束面は、応力を分散させる形状により耐久性を高め、加工の安定性と能率を向上する。
ホルダのスリット部はテーパースリットにすることで、締結用ネジを締めるとインサートに対して真上方向から拘束力が加わり、強力な固定が可能だ。上面クランパ部は、インサートをクランプした際に内側に向かって力が加わる形状にすることで、前後方向のインサートのズレを抑制する。ストッパ部は鈍角にして大きな面にすることで、ホルダにかかる応力を分散して摩滅量を低減する。
新形状のインサートは、上面に設けたV溝の構造を両端部と中央部で角度や形状を変えることで、拘束力と装着作業性を向上。新開発の特殊ナノ積層コーティングを採用した新材種「PR20」シリーズを同時発売し、鋼、ステンレス鋼、鋳鉄に対し、高精度かつ安定した長寿命加工を可能にする。
希望小売価格は、129型番が1320〜3110円、24型番が2万9700〜3万5200円、70型番が1万5300〜2万400円、18型番が1万5300〜1万7500円となっている(各税別)。
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