光と伝統工芸を再解釈した新作ライト2作品をミラノデザインウィークで展示:デザインの力
Triple Bottom Lineは、「光」と「伝統工芸」を再解釈した新作ライト「VISCUM」「Potit」を「ミラノデザインウィーク2024」で展示する。
Triple Bottom Lineは2024年4月3日、新作ライト「VISCUM(ヴィスクム)」「Potit(ポチ)」を、イタリアで開催される「ミラノデザインウィーク2024(MDW2024)」のイゾラデザインギャラリー内で展示すると発表した。「光」と「伝統工芸」を再解釈した作品となる。
VISCUMは、単一素材の外装に、LEDなどの内部部品を最小限で構成した卓上照明。環境への配慮を前面に打ち出したり、特殊な素材を用いたりといったことはせず、本来の意味で持続可能性を表現している。
また、奇抜な外観や複雑な装飾に頼ることなく、光の繊細さをいかに精緻に表現できるかを重視している。鏡面仕上げのモデルは環境負荷の低いスパッタリング塗装を採用しており、消灯時でも周りの環境を反射して投影する。
吊り下げ照明のPotitは、コンピュータによるデザインで、これまでは手作業で生み出されていた銅素材の器の表現や着色法を再創造したものだ。シェードは、再利用できる銅を含む樹脂を用いて3Dプリントし、独自の着色法で酸化膜を形成することにより、長年受け継がれた金属染色技術のような発色を再現している。
編み物のようなテクスチャーと独特の形状は、フィラメント溶解製法(FFF)で表現した。表面積の拡大や色素の定着を促して、樹脂、銅、真ちゅうの混合比による酸化反応と発色を促進している。また、独自の研究で、先端をすぼめる形状を3Dプリントで表現できるようになった。
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