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窒素含有量を低減した(111)面の単結晶基板を製品化:材料技術
イーディーピーは、窒素含有量を低減した(111)面の単結晶基板を製品化した。NVセンターの向きを制御し、量子デバイス開発用途に対応する。
イーディーピーは2024年3月22日、窒素含有量を低減した(111)面の単結晶基板を製品化したと発表した。量子デバイス開発向けに、同年4月1日より販売を開始する。
新基板の厚さは0.2〜0.5mmで、一方の辺が3mm以下のものを作製できる。表面仕上げは通常研磨を施し、Raは5nm未満。窒素含有量は0.5ppm以下と、既存製品の8ppmに比べて大幅に削減している。
超高感度量子センサーや量子コンピュータへの応用が期待される「NVセンター」は、ダイヤモンドの結晶中に発生する窒素と空孔の中心を指す。NVセンターの状態を光で読み取るには、NVセンターの向きを一定にすることが必要だ。
新基板は、結晶方位が(111)面の基板を用い、窒素を排除してダイヤモンド層との窒素濃度の差異を小さくしている。これにより、基板上に高純度の単結晶ダイヤモンド層を形成する際に生じる結晶格子定数の乱れを抑制し、NVセンターの向きを制御可能になった。量子デバイス開発用途に対応する。
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