オフィスデータを活用した生成AIの共同開発契約を締結:デザインの力
イトーキと燈は、生成AI共同開発契約を締結した。両社の強みを生かして、オフィスデザイン自動生成AIと関連したアプリケーションや、瞬時にオフィスデザインをシミュレーションできるアプリケーションを開発する。
イトーキは2024年3月13日、生成AI(人工知能)の共同開発契約を燈(あかり)と締結し、オフィスデザイン自動生成AIと関連したアプリケーションを開発すると発表した。
両社が共同開発するオフィスデザイン自動生成AIは、オフィスデータを収集して、統合、活用できる「ITOKI OFFICE A/BI PLATFORM」に蓄積されたオフィスレイアウトなどのデータから、さまざまなパターンのオフィスを自動でデザインできるものだ。
また両社は、オフィスデザインを瞬時にシミュレーションできるアプリケーションも開発する。これまで、オフィス内の寸法測定には膨大な工数と時間を要していたが、燈の空間スキャン技術を用いてデジタルツインを迅速に構築する技術を確立することで、測定に関するアナログ作業を大幅に軽減する。
イトーキは、データを活用した働き方ベースのオフィスDX(デジタルトランスフォーメーション)を「Office3.0」とし、最適な働き方やオフィス空間を提供するサービス「ITOKI OFFICE A/BI SERVECE」を展開している。
今回、Office3.0事業をさらに強化するため、AIを用いて建物自体の情報を高度にデータ化するBIM(Building Information Modeling)自動生成技術やデジタルツイン技術に強みを持つ燈と、共同開発契約を締結した。
今後、両社のノウハウと技術を組み合わせて、ITOKI OFFICE A/BI SERVECEをアップデートし、より良質なオフィスデザインを提案していく。
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