転職活動でのAI利用に関するグローバル調査、39%が書類作成にAIを活用:キャリアニュース
ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンが「転職活動におけるAIの利用状況」に関するグローバル調査の結果を発表した。39%が「生成AIを履歴書や職務経歴書の作成に利用した」と回答した。
外資系人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパンは2024年2月28日、人材1万5000人を対象とした「転職活動におけるAI(人工知能)の利用状況」に関するグローバル調査の結果を発表した。
同調査では、「生成AIを履歴書や職務経歴書の作成に利用した」と39%が回答し、2023年と比べて13%増加していることが分かった。
転職活動に生成AIを使用することについて尋ねたところ、40%が「技術の革新的な活用方法」と回答。また、39%が「応募書類のブラッシュアップのために使用するのであれば問題ない」と回答し、おおむね肯定的な意見だった。否定的な意見を見ると、18%が「不誠実であり、利用は制限されるべき」と回答していた。
AIは便利だが、人間らしさの表現は不得手
AIは、応募書類の作成時に、求人内容を分析して重要なキーワードや言い回しを特定できる。ただ、AIが生成したコンテンツは誤りが多いことや、独創性に欠ける場合があることに留意する必要がある。また、履歴書や職務経歴書を月並みなものにしないためには、応募する業界や職種、自身の転職の方向性に合わせて調整する必要がある。
AIは面接の練習にも役立つ。情報収集をはじめ、応募職種に合わせて想定される質問の生成や、事前に考えた回答例へのフィードバックなどに活用できる。
同社のグローバル・ヘッド・オブ・テクノロジーを務めるジェームズ・ミリガン氏は、生成AIを転職活動に利用することについて、次のように述べている。「生成AIは反復作業や定型的な作業を効率的にこなす能力を持っていますが、人間らしさを表現することは得意ではない。テクノロジーはあくまで補助的なものであり、賢く活用する必要がある。AIは業務をサポートしてくれるが、準備と役割の理解が重要であることに変わりはない。リクルーターや採用マネジャーは毎日何百通もの応募書類に目を通しており、AIを使って履歴書や職務経歴書を書いたことが簡単に分かってしまう場合もある。批判的思考や人間らしさ、個性は、テクノロジーにはまだ表現できない」(ミリガン氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 中堅社員が直面する不安、ターニングポイントは社会人6年目と10年目前後
ALL DIFFERENTが「中堅社員の意識調査」の結果を発表した。約46%が「自分の知識、スキルに不安を感じる」と回答し、不安に対する捉え方のターニングポイントが、社会人6年目と10年目前後にあることが分かった。 - ワーキングケアラーの4割が、介護と仕事の両立を「相談したことがない」
「LIFULL 介護」が「ワーキングケアラーの実態調査」の結果を発表した。約3割が介護していることを職場の人に伝えておらず、約4割が仕事の両立について誰かに「相談したことはない」と回答した。 - サーベイ後にアクションを起こした企業の約77%が「生産性が向上した」
中途採用サービス「ミイダス」が「エンゲージメントサーベイ」に関する比較調査の結果を発表した。サーベイ後に判明した課題に対してアクションを起こした企業の76.9%が、社員の生産性が向上したと回答した。 - 70歳定年時代で「定年の年齢、定年後の再雇用有無を気にする人」が増加
「ミドルの転職」が「ミドルの就業継続意向」についての調査結果を発表した。70歳定年時代を受けて、「定年の年齢や再雇用有無を気にする人が増えた」と、61%の転職コンサルタントが回答した。 - デザイン思考は製造業を変えたのか? 開発現場から見たデザイン思考の功罪[後編]
製品開発に従事する設計者を対象に、インダストリアルデザインの活用メリットと実践的な活用方法を学ぶ連載。今回から“デザイン思考は製造業を変えたのか?”をテーマに取り上げる。[後編]では昨今のデザイン思考に対する批判の論点やデザイン思考の功績について解説する。 - 業務で生成AIを使用している人は18%、仕事への影響に不安も
「ミドルの転職」は「生成AIの活用」についてのアンケート調査結果を発表した。生成AIを業務で「使用している」と18%が回答し、生成AIが仕事へ及ぼす影響に対して27%が不安を感じていた。