アクセンチュアがMujinとの“結婚”で目指すもの、デジタルツイン実現へ関係深化:スマートファクトリー(2/2 ページ)
アクセンチュアとMujinは新たな合弁会社Accenture Alpha Automationに関する記者会見を開いた。
新会社の役割は両者の事業領域をつなぐこと
アクセンチュアとMujinは2019年に物流領域での協業を開始し、アクセンチュアの持つソリューションにMujinコントローラーによる自動化を組み合わせた提案などを行ってきた。滝野氏は「1つの現場の自動化だけでは効果は限られる。物流や生産工程全体、さらには事業設計まで考えないと自動化を大きく成功させることができない。われわれの中でもコンサルティング事業が伸びている」と語る。
新たに設立したAccenture Alpha Automationでは、製造、物流領域における自動化構想立案やコンサルティング、システムインテグレーションなどを行う。
具体的には、これまでMujinとアクセンチュアが蓄積してきた製造、物流現場のデータ、AGVやロボットに関する知見と、企業変革のノウハウやデジタル技術を駆使した全社基盤の実装に向けた高い専門性を組み合わせ、製造、物流領域における徹底した自動化、省人化ソリューションを創出する。出資比率はアクセンチュアが70%、Mujinが30%だ。
Accenture Alpha Automation 代表取締役社長の岩佐知厚氏は「これまでアクセンチュアとMujinが担ってきた事業領域を接合する部分が、われわれの事業領域となる。両者が1つのチームとなって先進的、創造的な付加価値を共創する」と語る。いわば協業開始以来の両者の関係を深化させた形だ。江川氏も「一歩踏み込んで、ノウハウやリソースを一緒にすることでスピード、フレキシビリティ、スケーラビリティが高まる。言ってみれば、結婚して一緒に進んでいこうという決意をした」と話す。
滝野氏も「この4年間は準備期間だった」と話すように、直近でMujinコントローラーの制御領域は広がっており、生産ライン全体の統合制御、データの可視化、リモート運用を可能とする自動化プラットフォームへと拡大している。
「プラットフォームができると、デジタルツインが実現できる。どこに何が載っているか、ロボットのハンドがどの位置にあるかなどがリモートで分かる。データがどんどん集まり、エラーや生産性の分析もできるようになる。これが本当の現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)だ」(滝野氏)
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