作業負担の軽減や生産性向上に向け、アスクルが物流センターにロボットを導入:ロボット開発ニュース
アスクルは同社の物流センターに、Mujinのデパレタイズロボット「MujinRobot」とギークプラスの自動棚搬送ロボット「Geek+ EVE P800R」を導入した。導入により、従業員の身体的負担を大幅に軽減し、庫内作業の生産性を向上する。
アスクルは2021年7月14日、同社の物流センターに、Mujinのデパレタイズロボット「MujinRobot」とギークプラスの自動棚搬送ロボット「Geek+『EVE P800R(AGV)』」を導入したと発表した。
MujinRobotは、出荷するケース品を持ち上げてコンベヤーに投入するアーム型ロボットで、ASKUL Logi PARK 横浜に1台導入した。従来は、従業員の手作業により1日平均約6000箱をコンベヤーに投入していた。MujinRobot導入により投入作業が自動化され、従業員の身体的負担を大幅に軽減する。
Geek+「EVE P800R(AGV)」は、ASKUL三芳センターに116台導入された。ロボットに商品棚を載せてピッキング担当者の位置まで運べるため、作業負担の軽減に加えてピッキングの定点化により生産性の向上が見込まれる。また、作業者が商品棚まで移動する必要がなくなるため、これまでよりも密集して商品棚を配置できるようになり、収容在庫数が拡大できる。
アスクルが、物流センターの庫内作業に携わる従業員の離職理由を調査したところ、重労働による腰痛など大きな身体的負担が理由の1つであることが分かった。このため、作業負担の軽減や庫内作業の生産性向上を目的にロボットを導入した。
アスクルでは今後も、物流センターの労働環境を改善し、さらなる生産性アップに向けてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく。
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