CADデータに含まれるPMIの変換と活用機能を拡充、3Dデータ変換/活用基盤の最新版:CADニュース
エリジオンは、3Dデータ変換/活用プラットフォーム「3DxSUITE」の最新版として「EX10.0」を発表した。CADデータに含まれるPMIの変換と活用機能を拡充している。
エリジオンは2024年1月12日、3Dデータの変換/活用プラットフォーム「3DxSUITE(スリーディースイート)」の最新版「EX10.0」を発表した。CADデータに含まれる、PMI(製品製造情報)の変換と活用機能を拡充している。
最新版では、データ変換時のPMIの変換精度が向上し、従来の3D形状やグラフィックPMI、セマンティックPMIの正確な受け渡しをサポートする。また、PMIチェッカーのプロトタイプを開発。PMIの不具合を事前に検出し、設計者に修正を促す。
これまで別製品として提供してきた製造性検証ツール「DFM Studio」、自動車の突起検証ツール「DFAS Studio」、2D図面比較ツール「Drawing Validator」を統合。PDQ検証、データ修正、形状簡略化などの3DxSUITEの従来機能と、統合した3つのツールを組み合わせることで、1つのシステム上でより高度な3Dデータ処理ができる。
新機能として、キネマティクス変換にも対応した。ロボット動作に必要な運動学演算式(キネマティクス)が付与された3D CADデータを他のファイル形式に変換する場合、形状やPMIに加え、キネマティクスも変換する。
また、レポート作成機能には、HTML形式でTDP(テクニカルデータパッケージ)を生成できるTDP用HTML出力機能が追加された。3Dデジタル情報を汎用(はんよう)的なデータ形式で共有できる。3D CADデータを比較するツール「CAD Validator」も改善し、2つのモデルの向きを自動でそろえて比較する機能を追加。より正確に差分を検出できる。
他のファイル形式に変換された3D CADデータに追加変更があった場合、再度その差分だけを変換する機能(プロトタイプ)も新たに開発。差分変換による大規模モデルの変換スピードを大幅に改善している。
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