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ヤンマーが小型電動農機のコンセプトモデルを初公開、2025年に市場モニターへ:電動化
ヤンマーアグリは、電動モーターによる駆動で農業のCO2ゼロエミッション化を目指した小型電動農機のコンセプトモデル「e-X1」を初公開した。2025年に市場モニター可能な形での商品化を目指している。
ヤンマーホールディングスのグループ会社であるヤンマーアグリは2024年1月25日、電動モーターによる駆動で農業のCO2ゼロエミッション化を目指した小型電動農機のコンセプトモデル「e-X1」を初公開した。まずは、2025年に市場モニター可能な形での商品化を目指しており、その結果を反映するなどして量産機の開発に向けた設計と試験を重ねていく方針だ。
e-X1は、機体の前後にロータリーや草刈り機などの作業機を取り付けることで、除草/除雪/耕うんなどのさまざまな作業に対応することができる。また、車輪ではなくクローラーを採用することにより、斜面や不整地での安定的な走行を実現する。運転席は持たず、遠隔操作を行うことで農作業時のオペレーターの安全確保を図る。さらに、自動運転機能の搭載も視野に開発を進める方針だ。
ヤンマーグループでは、持続可能な社会の実現に向けて、2050年に環境負荷フリー、GHG(地球温暖化ガス)フリーを目指す「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」を推進している。電動農機は、環境性能だけでなく、電動モーターの優れた静粛性と環境性で、夜間や近郊農業での利用、ハウス内での作業環境の改善に貢献することが期待されている。
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