国土交通省は2024年1月19日、ダイハツ工業の型式指定申請で不正行為のあった46車種のうち、5車種の出荷停止を解除したと発表した。国土交通省では46車種のうち、開発中の1車種を除く45車種について道路運送車両法の基準適合性を確認する試験などを行っており、結果の出た車種から順次公表していく。
今回、基準適合性の確認が取れたのは、トヨタ自動車「プロボックス」、マツダ「ファミリアバン」、ダイハツ「グランマックス(バンタイプ)」、トヨタ自動車「タウンエース(バンタイプ)」、マツダ「ボンゴ(バンタイプ)」の5車種。グランマックス/タウンエース/ボンゴのトラックタイプは型式指定が取り消される予定だ。
ダイハツは今後の出荷と生産の再開に当たって、販売会社や仕入先と密にコミュニケーションを取り、混乱を来さないよう準備を進めていくとしている。
同日、ダイハツは消費者庁から内部公益通報対応体制について措置を講じるよう、公益通報者保護法に基づく指導書を受け取った。内部通報や、通報者保護の制度と運用体制について早急に改善に取り組むとしている。
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今後も多くの製造業で同様の問題が続きます。「不正ができない仕組み」をどう作り上げるかが重要です。