TOYO TIREがサステナブル素材の使用比率が90%のタイヤを開発、CO2由来のゴムも採用:材料技術
TOYO TIREはサステナブル素材の使用比率が90%のコンセプトタイヤを開発した。
TOYO TIREは2024年1月12日、東京オートサロン(2024年1月12〜14日、幕張メッセ)でプレスカンファレンスを開き、サステナブル素材使用比率90%のコンセプトタイヤを開発したと発表した。
リニューアブル素材が全体の60%でリサイクル素材が30%
このコンセプトタイヤは、バイオマス由来のブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、籾殻灰シリカ、ポリステエル、食物由来のオイルなどのリニューアブル素材が全体の60%を占める。30%が、再生カーボンブラック、再生ビードワイヤ、再生スチールコード、CO2由来のブタジエンゴムなどのリサイクル素材となる。残りの10%は非サステナブル素材だ。
CO2由来のブタジエンゴムは、TOYO TIREと富山大学により共同開発されたものだ。両者は工場などから排出されるCO2を出発原料としたブタジエンゴムの生成に成功している。このブタジエンゴムに関して同社ではCO2排出量の極小化に貢献するとみている。
デザインに関して、TOYO TIRE 代表取締役社長 CEOの清水隆史氏は「ブース中央付近には、サイドデザインをTOYOブルーでカラーリングしたコンセプトタイヤを展示している」と語った。加えて、サイドデザインには持続可能性のサステナブルと半導体をモチーフにしたイメージを採用しているという。
なお、TOYO TIREでは、「2030年までに製品におけるサステナブル素材比率を40%にする」ことを目標に掲げており、今後も環境負荷低減技術の開発を推進することで、並行してCO2排出量の低減も図り、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していく。
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