半導体物流の2024年問題を解決へ、コアスタッフは「調達と物流のTSMC」を目指す:物流のスマート化(2/2 ページ)
コアスタッフは、2024年秋に稼働予定の新物流センター(長野県佐久市)の建設状況や、半導体業界における物流2024年問題、新物流センターを活用した物流2024年問題に対応する同社の新サービスについて説明した。
新物流センターは2タイプの自動倉庫を導入
LOSの中核となる新物流センターは工期の3分の2まで進捗しており、2024年7月に完成し、同年秋に稼働する予定だ。建屋は地上4階建てで、敷地面積は約1万6000m2、延べ床面積は1万5000m2となる。北陸新幹線の佐久平駅から自動車で7分、最寄りのインターチェンジから10〜15分で、物流拠点としてのアクセス性は良好だ。投資金額は50億円で、コアスタッフとしてこれまでで最大の投資案件だ。
新物流センターに導入する自動倉庫の設計と施工は村田機械が担当しており、4階建ての建屋内を吹き抜けで設置する高さ20mのフリーサイズケースの自動倉庫(1号機)と、ダブルディープシャトルの自動倉庫(2号機)を設置する。1号機は、オンライン半導体商社として1個からの受注に対応するタイプの製品の保管、入出庫能力の高い2号機は、入荷製品の一時置きに用いる予定だ。これらの自動倉庫だけで、現在の在庫保管可能件数である10万点をカバーできるようになる。また、自動倉庫の導入によって倉庫業務の生産性も3〜5倍に向上する見込みである。
自動倉庫以外に建屋の上層階を活用して、これまで対応が難しかった受注頻度の低いタイプの製品も取り扱えるようにする。これら上層階の倉庫業務でも、エレベーターと連携するAGV(無人搬送車)などを活用して自動化を進める方針である。建屋内には今後の需要拡大に向けた余剰スペースがあり、1号機と同型の自動倉庫を増設できるようになっている。この自動倉庫を増設した段階で、在庫保管可能件数は現在の10万点の10倍となる100万点まで拡大される。戸澤氏は「新物流センターにより、顧客の購買、調達、物流をそっくりそのまま請け負えるようになる。ぜひ検討していただければ」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 歩かない物流センターで60%の省人化、新開発の予知保全が自動倉庫の保守最適化
エレコムが西日本の物流拠点として開設した“人が歩かない”兵庫物流センター。そこで導入したのが、イトーキのシャトル式立体自動倉庫システムだ。 - 半導体不足の裏で大奮闘、語られざる半導体商社の仕事を知る
半導体不足などのニュースで、半導体の流通に携わる「半導体商社」にスポットライトが当たる機会はあまりない。半導体の流通業務に携わる商社の立場から見て、昨今の半導体不足はどのように見えていたのか。そもそも半導体商社はどのような仕事をしているのか。コアスタッフ代表取締役に話を聞いた。 - 不足から一転して過剰在庫に悩む半導体市場、最悪シナリオでは回復は2026年?
コアスタッフは、半導体/電子部品市場の現状と今後の展望について説明会を開催した。 - 2022年後半は半導体不足が解消し調整局面へ「それでも足りないモノは足りない」
コアスタッフが足元の半導体市況や今後の展望について説明。2020年後半から続く半導体と電子部品の厳しい供給不足が全般的には解消に向かいつつあり、今後約半年〜1年間は調整局面に入る可能性が高いという。ただし、32ビットマイコンやパワー半導体などは入手しにくい状況が続いており、これらの製品については供給不足が続く見込みだ。 - 半導体不足が中堅中小製造業を直撃、自動車業界による在庫確保の余波か
コアスタッフが供給が逼迫(ひっぱく)している半導体や電子部品の現状について、オンライン商社としての立場から解説。同社はこれまでも同様の会見を行っており、その際には「納期が1年以上、価格が20〜30倍に跳ね上がっている」と報告したが、現在はさらに状況が厳しくなっているという見立てだ。 - 深刻化する半導体不足、納期が1年以上、価格が20〜30倍に跳ね上がるものも
半導体や電子部品の通販Webサイトなどを手掛けるコアスタッフは2021年6月30日、不足が叫ばれている半導体に関する考察と、これらの状況に対する同社の取り組みについて発表した。