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パナソニック インダストリーで品質不正、材料52種でデータ改ざんや認証不備など品質不正問題

パナソニック インダストリーは、同社の電子材料事業部が製造、販売する成形材料、封止材料、電子回路基板材料の52品番において、認証登録などにおける複数の不正行為を行っていたことが判明したと発表した。

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 パナソニック インダストリーは2024年1月12日、同社の電子材料事業部が製造、販売する成形材料、封止材料、電子回路基板材料の52品番において、認証登録などにおける複数の不正行為を行っていたことが判明したと発表した。

 不正の内容は、米国の第三者安全科学機関であるUL Solutions(以下、UL)の認証登録などを行う際に認証時とは異なる配合の製品を登録品番を変えることなく生産、販売したことや、認証登録においてデータ改ざんを行って登録したことなどだ。また、定期監査で登録された配合と異なるサンプルを作成して提出し、不合格を回避するような組織的に不正を定着させるような動きも見られた。古いものでは1980年代から始まっている一方、2017年に登録された製品でも不正が行われていることから、不正を織り込んだ活動が常態化しているともいえる。

 パナソニック インダストリーでは、現在までに対象の製品において不正が原因と考えられる不具合情報はないとしているが、今後は顧客に個別に説明を行い、対応の協議を進めていくという。

 不正の内容と、その不正が行われていた事業所は以下の通りだ。

認証時と異なる配合の製品を、登録品番を変えることなく生産し販売

  • 成形材料:四日市工場(1980年代〜現在)の17品番で、その内11品番については「難燃性」の数値未達
  • 封止材料:南四日市工場(1980年代〜現在)の19品番で、その内19品番については「難燃性」の数値未達
  • 電子回路基板材料:アユタヤ(タイ)工場(2003年〜現在)の2品番で、その内、1品番については「耐トラッキング性」の数値未達
  • 電子回路基板材料:南四日市工場(2011年〜2021年)の1品番

開発目標の「相対温度指数(RTI)」になるように数値を改ざん

  • 郡山工場(2011年〜現在)の8品番
  • 広州工場(2016年〜現在)の5品番
  • 蘇州工場(2012年〜現在)の3品番
  • 台湾工場(2011年〜現在)の3品番

開発目標の「難燃性グレード」になるように数値を改ざん

  • 郡山工場(2017年〜現在)の1品番
  • 広州工場(2016年〜現在)の2品番
  • 蘇州工場(2016年〜現在)の1品番
  • 台湾工場(2016年〜現在)の1品番

定期監査での不合格回避のため、登録された配合と異なるサンプルを提出

  • 成形材料:四日市工場(2014年〜現在)の1品番
  • 電子回路基板材料:アユタヤ(タイ)工場(開始時期調査中〜2021年)の2品番

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