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ソニー・ホンダモビリティが模索する新たなモビリティの価値とは自動運転技術(2/2 ページ)

ソニーグループは2024年1月8日(現地時間)、同年1月9日から開催される「CES 2024」に先立ってプレスカンファレンスを実施し、ホンダとの共同出資会社ソニー・ホンダモビリティの自動運転EV「AFEELA」の開発状況などを紹介した。

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モビリティの新たな楽しみに必要なゲームテクノロジーとの融合

 「クリエイティブエンターテインメント空間としてのモビリティ」については、このADASシミュレーターにAR(拡張現実)技術を組み合わせることで、ユーザーが没入感のある体験を実現できるようにする。車両の外の光景をリアルタイムで3Dオブジェクト化し、さらに、マップデータを活用することで、ある地点でリアルな外界情報に対し、ARによる情報を表示させ、新たなエンターテインメントやゲーミング性を作り出すという。

 例えば、「ポケモン GO」のような移動型ゲームで、クルマ内の表示デバイスを通して実際に見える景色の上に、リアルな形で巨大怪獣などを仮想表示してそこをくぐったり、目印に運転するような楽しみ方などがあり得るという。これらの実現に向けUnreal Engine 5を使用し、最新バージョンへの対応も進めていくとしている。

 さらに、新たな価値を実現するために、開発者に向けたコミュニティー活動も強化する。AFEELA上で動くコンテンツやサービスを自由に開発できる、オープンな環境を計画中だという。例えば、便利なアプリケーションやMedia Barの表現、パノラミックスクリーンのテーマ、走行中のeモーターサウンドの音源、ナビ上への付加情報などを個別で開発できるようにする。「開発環境を幅広く提供し、車両データや走行データなど開示できる情報はオープンに提供していく予定だ」と川西氏は述べている。

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Media Barやパノラミックスクリーンやその他さまざまなアプリケーションを自由に開発できるコミュニティー環境を構築する[クリックで拡大]

パーソナルエージェントをマイクロソフトと協業で開発

 新たにMicrosoft(マイクロソフト)との協業で、対話型のパーソナルエージェントの開発を開始したことも明らかにした。Azure OpenAI Serviceを活用し自然言語で意思疎通できるモビリティを実現する。

 マイクロソフトでデータ、AI、デジタル アプリケーション プロダクト マーケティング担当のコーポレート バイス プレジデントを務めるJessica Hawk(ジェシカ・ホーク)氏は「現在モビリティにおけるAIの活用で期待されているのは、生成AIの導入とクラウドスケールの演算だ。これにより、モビリティの革新の可能性は大きく広がり、パーソナル化を加速させることができる。ボタンやスクリーンタッチによる操作から、会話型やマルチモーダルデータの活用へと変化し、独立したアプリやマニュアルから、これらが統合された世界へと変わっていく。分離された車内体験から統合された体験へと変わっていく」と変化について強調した。

 さらに、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの100%出資によるソフトウェア開発会社で「グランツーリスモ」制作チームが1998年に独立して設立されたポリフォニー・デジタルと新たに協業することも発表。「ポリフォニー・デジタルが持つ優れたシミュレーション技術とソニー・ホンダモビリティの実車技術を組み合わせ、人の感性を取り入れながらバーチャルとリアルを融合させた新たな開発手法を探索していく」と川西氏は説明した。

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