住友ゴムがScope3の2030年削減目標を策定、サステナブル原材料の活用を推進:脱炭素
住友ゴム工業は、サプライチェーン全体におけるカーボンニュートラル達成を目指し、新たにScope3の2030年削減目標を定めた。同社の温室効果ガス排出量の約90%を占めるScope3をカバーすることで、目標達成に向けて取り組みを加速する。
住友ゴム工業は2023年11月28日、サプライチェーン全体におけるカーボンニュートラル達成を目指し、新たにScope3の2030年削減目標を定めた。同社の温室効果ガス(GHG)排出量の約90%を占めるScope3(Scope1、Scope2以外の間接的な温室効果ガスの排出量)をカバーすることで、目標達成に向けての取り組みを加速する。
プロセス別目標では、「材料開発/調達」において、サステナブルな原材料の活用とサプライヤーエンゲージメントを強化することで、2021年と比べ2030年にScope3を25%削減する。「物流」では、モーダルシフトを推し進めることで、2021年と比較し2030年にScope3を10%減らす。また、「販売/使用」「回収/リサイクル」では、タイヤの転がり抵抗減少や長寿命化、リトレッドタイヤの生産能力増強などを図る。
加えて、同社は、Scope1、Scope2の目標値を引き上げる。Scope1、Scope2に関しては、2017年と比べ2030年に50%削減するという目標を2021年に掲げた。現在、目標に対して前倒しで取り組みが進んでいることを踏まえて、同社は同目標値を55%に引き上げる。前倒しには、中国やタイのタイヤ工場における電力の再生可能エネルギーへのシフトが関係している。
同社は、これらの取り組みを継続することで、2050年カーボンニュートラル達成を目指すとしている。
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