微粉体の世界市場は2027年までに12.5%増、EVや3Dプリンタの材料がけん引:製造マネジメントニュース
富士キメラ総研は、3Dプリンタ用金属パウダーや化粧品用マイクロビーズ代替パウダーなど微粉体の世界市場の動向を調査し、「2023年 微粉体市場の現状と将来展望」を発表した。
富士キメラ総研は2023年11月20日、3Dプリンタ用金属パウダーや化粧品用マイクロビーズ代替パウダーなど微粉体の世界市場の動向を調査し、「2023年 微粉体市場の現状と将来展望」を発表した。素材別に汎用無機8品目、金属7品目、金属酸化物3品目、セラミックス6品目、ポリマー11品目、カーボン3品目に加え、注目微粉体として5品目の市場を分析した。
2027年の同市場規模は15兆3568億円で、2023〜2027年の年平均成長率は4.6%になると推計している。EV(電気自動車)や3Dプリンタに関連する材料が市場をけん引する見込みだ。
3Dプリンタの普及に伴い、3Dプリンタ用は金属パウダー、樹脂パウダーともに、市場が拡大するとみられている。金属パウダーは、航空宇宙分野や自動車分野、軍事分野での利用が欧米を中心に進み、2027年の市場規模は4057億円に達する予測だ。樹脂パウダーは、試作品の製造用途から最終製品の製造へ用途が広がっており、耐熱性や機械的強度が高い高価格なスーパーエンプラパウダーの需要が高まると見込まれる。
ガスの吸着や分離、貯蔵、触媒といった特性を持つMOF(金属有機構造体)は、二酸化炭素の回収や水素の貯蔵などの用途が期待されている。カーボンニュートラル化に向けた需要により、年平均36.5%の成長率となる予測で、2027年の市場規模は1180億円になるとしている。
化粧品用マイクロビーズ代替パウダーは、海洋プラスチック問題を背景とした欧州のマイクロビーズ規制により、既存材料である石化樹脂パウダーからの切り替えが進んでいる。今後、代替材料の開発がさらに進み、2027年の同市場規模は118億円に伸長する見込みだ。
低誘電化のための中空微粒子は、5G(第5世代移動通信システム)の普及に伴い開発が進み、2026年頃から本格的に市場が立ち上がると予想している。
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