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インタビュー

オープン化がもたらす作り手と使い手の“うれしさ”、集大成で何を見せるか2023国際ロボット展(3/3 ページ)

デンソーウェーブは「2023国際ロボット展」において、「オープン化」を軸にして数々のソリューションを披露する。会場で何を見せるのか、デンソーウェーブ ソリューション事業部 FAシステムエンジニアリング部 部長の澤田洋祐氏に話を聞いた。

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用途に応じてAIを使い分ける

 AIのゾーンでは、OpenAIのChatGPTを活用した自然言語によるロボットプログラムの生成や、自然言語でのオーダーに応じるAIスキルを活用した自動コーヒー調合ロボットなどを紹介する。

「万能なAIというのはまだ存在しない。それならば、用途に応じて使用するAIを変えていかなければならない。われわれはロボットをオープン化しており、AIのスタートアップ企業にも使いやすいロボットになっている」

 例えば、自動コーヒー調合のデモンストレーションでは2つのAIを活用。人が自然言語で注文するとChatGPTで内容を認識し、米国のintegral AIがエンジンを開発したAI模倣学習のスキルによって実際のひょう量作業などを行う。いわば、AIがAIに指示を出す構図になっている。

「生成AIとロボットの相性はいい。人が何かを教えるときには自然言語を使うが、そういった中での論理構築は生成AIが得意な分野だ。われわれのロボットコントローラーの強みは、PythonやC++などのコンピュータ言語を使って全ての機能を使うことができる点だ。生成AIがPythonでロボットの作業コードを書いてくれればそのまま動いてしまう」(澤田氏)

 AI搭載の3Dビジョン「Cambrianビジョンシステム」と連携した透明、光沢、小型のワークのピッキングも初披露する。これらのワークは通常、カメラを用いたピッキングの場合、画像処理に時間がかかる。ただ、Cambrianビジョンシステムに関しては、「いつ処理してるのか分からないほど早い」(澤田氏)という。ここでも、TwinCATの同期制御により、ロボットが動きながら画像の撮像が可能になっている。

 この他、システムソリューションのゾーンでは、協働ロボットを活用したラボオートメーションや、イングリッシュマフィンの調理などを紹介。エネルギーマネジメントのゾーンでは、IoT(モノのインターネット)によるカーボンフットプリントへの取り組みを展示する。

「ロボット自身、単体としての機能ではなくソリューションの提案の時代になっている。ゾーンごとに関心を持つ来場者の層は変わってくると思うが、ゾーンごとの反応や声をしっかりと聞き、フィードバックしていきたい」(澤田氏)

デンソーウェーブの澤田氏
デンソーウェーブの澤田氏[クリックで拡大]

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