映像差分解析を用いた異常監視システム、事前学習不要で容易に自動監視導入:FAニュース
キヤノンITソリューションズは、画像処理による異常監視システム「ANOMALY WATCHER」を発売した。正常時との映像差分比較で異常を検出するシステムで、事前学習が不要なため、容易に自動監視が導入できる。
キヤノンITソリューションズは2023年11月1日、画像処理による異常監視システム「ANOMALY WATCHER」の販売を開始した。価格は、モニターライセンスが7万6000円から、永続ライセンスが70万円となっている(いずれも税別)。
ANOMALY WATCHERは、ネットワークカメラを用いた画像処理により、リアルタイム映像フレームと正常状態として登録した基準フレームとの特徴量の類似度を検出し、類似度が設定した閾値を下回った場合に、異常検知アラートを発する。
事前学習を必要としないシステムのため、異常映像を事前に収集して学習させる手間が省ける。色味の変化、輪郭の変化など複数のパラメーターの検知感度を設定するだけで、自動監視が導入できる。
監視カメラの映像を受信するのは、1万3000種類以上のデバイスに対応するMilestone製ビデオ管理ソフトウェア「Milestone XProtect」だ。同ソフトは受信した映像から異常検知を処理すると同時に、録画管理もするため、通常の監視カメラシステムとしても利用できる。
ANOMALY WATCHERの販売に合わせて同社は、監視用カメラやPCなど必要機材一式を貸し出し、現場で試行できるモニターライセンスを提供する。また、現場への設置、検知設定もサポートする。
今後は、同社のAI(人工知能)検査プラットフォーム「Visual Insight Station」との連携によるインテリジェント検知や、サーバレス構成の追加などを予定している。
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